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地磁気データについて

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データ利用、交換の規則は the Guide on the World Data Center System (ICSU Panel on World Data Centers, 1996) に定められています。 WDCのデータには提供元機関についての情報が付せられています。 データが出版や発表に用いられるときには、 データ供給元 と WDC for Geomagnetism, Kyoto にacknowledgeしなければなりません

WDCデータの営利利用、再配布は一般に許されていません。 各々の観測所についての情報はWDCにお尋ねください。


当センターがオンラインで提供しているデータは、 地磁気指数観測所地磁気データ磁場モデルその他 に大別されます。


地磁気指数

地磁気指数は、地磁気の擾乱の程度を表現するものです。 当ホームページから利用できる地磁気指数には以下のものがあります。

  1. AE指数 (説明/英語)
    主にオーロラ頻出現域を流れる電流に起因する地磁気擾乱を表現する指数
  2. Dst指数 (説明/英語)
    中低緯度域での地磁気の軸に平行な向きの擾乱場を表現する指数
  3. ASY指数 (説明 /英語,PDF)
    同じく中低緯度でも、経度によって異なる擾乱場を表す表現する指数
    ただしSYM-H成分は、ほぼ1分値のDstに相当する。
以上の指数は当センターで算出され、全世界で使われています。   (AE, Dst, ASY指数を利用した論文のリスト)
このほかに、現在ドイツのGeoForschungsZentrum (GFZ) Potsdamで算出されている

  1. Kp指数とap指数 (説明)
    全世界的な地磁気擾乱の目安として比較的広く使われている指数
  2. 国際静穏日・擾乱日 (説明)
    Kp指数にもとづいて決定された、 各月の地磁気的に静かな5,10日と荒れた5日
も利用できます。

地磁気指数は他にもありますが、それらについてはISGI (国際地磁気指数サービス) (英語) をご利用ください。 また、地磁気指数について詳しくはMayaudによる解説書 (Mayaud, P.N., Deviation, Meaning, and Use of Geomagnetic Indices, Geophysical monograph 22, American Geophysical Union, Washington D.C., USA, 1980) などをご参照ください。


観測所地磁気データ

地磁気観測所で得られた地磁気データは、データ解析の基礎となるものであり、 地磁気指数や磁場モデルもそれに基づいて作成されています。 地磁気はベクトル場であり、各要素 (成分)の値によって表現されています。 当ホームページから利用できる地磁気データには、 データの正確さと迅速さの兼ね合いにより、 確定値 (final)、暫定値 (provisional)、速報 (quick look) の3種別があります。

このうち、速報は最新の地磁気変化の状態を見るために、 ネットワーク経由でできるだけ速く集められたデータであり、 ノイズの除去や絶対値のチェックなどはほとんどされていません。 当ホームページからは変化のプロットが利用できます。 また、当センターが信楽 (滋賀県甲賀市) 及び峰山 (京都府京丹後市) で観測している地磁気1秒値の速報プロットも利用できます。

これに対して、 暫定値は変更される可能性はあるが、ある程度チェックされたデータであり、 確定値は原則として最終的なデータです。 暫定値と確定値のうちオンライン利用可のものについての収集状況は、 オンラインデータカタログに記載されています。 また、地磁気データカタログ検索後それに基づきプロット/データ出力をすることが可能です。 データカタログは毎週自動更新されますが、別に先週の新着データお知らせページもあります。

また、もうひとつの区分として、数値となったディジタルデータと、 昔の印画紙等に記録されたアナログデータという分け方があります。 ディジタルデータには時間分解能により、 1秒値1分値及び 1時間値などがあります。 1秒値はきわめて速い地磁気変化を見るのに必要ですが、 限られた観測所、期間のものしかありません。 1分値はディジタルデータの中核となるもので、 最近の期間についてはかなり多くの観測所のデータが利用できますが、 昔の期間のものは利用できません。 これに対して1時間値は、速い地磁気変化を見るには使えないものの、 アナログデータから読み取ったものも多く含まれるため、 観測所によっては19世紀まで遡ることができます。 これらディジタルデータについては、 当センターのホームページから、暫定値はプロット出力が、 確定値はプロット出力とデータ出力が可能です。 1時間値のWDC形式によるデータ出力には原則として日平均値も含まれていますが、 これより粗い時間分解能のデータ、例えば年平均値などについては、 イギリスエディンバラにあるデータセンターなどをご利用ください。 また、 アメリカ合衆国コロラド州ボールダーにあるデータセンターには、 通常の地磁気データのほか、 古地磁気のデータもあります。

一方、アナログデータはマグネトグラムとも呼ばれますが、 これには、通常記録 (normal run) のほかに、 数は限られるものの速い地磁気変化を見るための早回し記録 (rapid run) もあります。 また、地磁気擾乱時の記録を目的とした、 ストームマグネトグラムと呼ばれる低感度記録が別にある観測所もあります。 当センターでは比較的よく利用されそうな観測所・期間のデータから、 順次フィルムなどに記録されたアナログデータを読みとって、 画像データとして公開しています。 さらに地電流のアナログ記録であるテルリグラム (Tellurigram) の画像データもあります。

なお、各地磁気観測所のホームページのなかには、 データサービスを行っているものもあります。


磁場モデル

磁場モデルは、地磁気のおおよその値を知るのに用いられます。 当センターで利用できるものとしては、 国際標準地球磁場 (IGRF) (説明) と呼ばれる国際地球電磁気超高層物理学協会 (IAGA)が決定した全世界的な主磁場モデルが主なもので、 磁気図、係数、各地点でのモデル値などのほか、地理座標と地磁気座標相互変換も可能です。


その他

その他、データカタログがあり、 観測所磁場確定/暫定値について、 新着データ一覧、カタログ検索、PDF版データカタログが利用できます。 また、地磁気データカタログ検索後それに基づきプロット/データ出力をする機能もあります。 出版物リストは、 当センターが出しているデータブック、プロット図表等の一覧です。

さらに、IRIモデルを用いた、 電離層電気伝導度高さ分布モデルや、 高さ積分された電離層電気伝導度モデルもあります。