データ利用規則
データの利用と交換に関する規則は、国際学術会議世界データシステム(ICSU-WDS)のデータ共有原則によって定義されています。WDC京都のデータとサービスは科学的利用のために制限なく利用可能です。データを出版物や発表で使用する場合は、データ提供者と京都世界地磁気データセンターを謝辞に含めてください。データの利用には CC BY-NC 4.0 ライセンスが適用されます。
引用: COMPASS または本サービスで取得したデータを出版物や発表で使用する場合は、次の論文を引用してください。
Imajo, S., Matsuoka, A., Toh, H., Kotani, T., Odagi, Y., Iyemori, T., Nosé, M., & Hayakawa, H. (2026). Comprehensive magnetogram portal and archive service system (COMPASS): an IIIF-based portal for over 1.4 million historical magnetogram records. Earth, Planets and Space, 78. doi:10.1186/s40623-026-02534-4
商業的利用: 各観測所が提供する地磁気データの商業的利用については、関連機関にお問い合わせください。
ビューワー、検索、一覧表の各ページは英語表記です。
AAA 通常地磁気記録 (ノーマルランマグネトグラム)、1963年 (00000017) —
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Comprehensive Magnetogram Portal and Archive Service System (COMPASS) は、地磁気世界資料センター京都 (WDC京都) が提供する地磁気観測データの IIIF ポータルです。世界各地の観測所で得られたマグネトグラム・テルリグラム (通常地磁気記録、早回し地磁気記録、通常地電流記録、早回し地電流記録など) のデジタル化画像、約140万枚を公開しています。IIIF (International Image Interoperability Framework) により、高解像度での閲覧や他のシステムとの相互運用が可能です。ビューワーから元のスキャン画像をダウンロードすることもできます。アーカイブされたスキャンファイルそのものを、再圧縮せずに配信しています。
COMPASS では、次の3つの方法でマグネトグラムを探して閲覧できます。
ここではマグネトグラムとは何か、またどのようにして計測・記録され、使用にあたってはどのような点に注意する必要があるかを記す。
マグネトグラムとは、地磁気の変化がグラフの形式で記録されたもので、フラックスゲート磁力計に代表されるような現代の磁力計データもディジタル記録をグラフの形にすればもちろんマグネトグラムである。しかし通常、マグネトグラムとよばれるのは、図1に原理を示したような光学記録式のつり下げ型磁場変化計 (variometer) で得られた観測記録である。このタイプの磁力計は非常に古くからあり、1980年代までは世界各地の地磁気観測所の多くは、このタイプの磁場変化計を用いていた。当センターではこのようにして得られた記録をマイクロフィルムに複写したものを保管している。
原理はいたって簡単で、金属 (燐青銅など) や水晶の糸に吊された小さな磁石が、外部の磁場変化により受ける力でわずかにする回転を、磁石に固定された小さな鏡で大きく拡大し、印画紙上に記録する。鏡で光線の向きを変え離れた点に焦点を結ばせてわずかな回転を拡大する方法は、傾斜計等地球物理学ではなじみ深い方法である。
図1から分かるように、地磁気偏角成分 (D) の測定が最も簡単で、糸に捻りの力を加えなければ、磁石は自然とその地点の磁北を向くため、それに垂直な力、すなわち偏角方向の力に最も敏感に回転させられる。
水平成分 (H) を測定するには、糸に捻りを与え、磁石が磁北とは垂直な方向に向け、磁北方向の磁場変化に最も敏感になるようにする。鉛直成分 (Z) は、上記の説明から推測されるように、水平に張った糸に捻りを加えて磁石を水平に支える。
図1に示すように、通常は3つの光源の位置を調節して、3本の光線を1枚の記録紙に集め、時計仕掛けでゆっくり回転する印画紙上に記録する。それゆえ、測定は暗室の中で行う。記録部の構造により、マグネトグラムには1日1枚の標準的なもの (normal run magnetogram) と、早回し記録 (rapid run magnetogram) とよばれるものが存在する。通常記録ではドラムは1日に1回転し、早回し記録ではドラムが1日に何回も回転しながら回転軸の方向にゆっくり移動して、1枚の記録紙に多数の線を描く。時刻は、記録装置の側で1時間毎にタイムマークを印画紙に焼き付けたり、光線を短時間遮って印画紙上の線を途切らせたりする。
感度は磁石の持つ磁気モーメントと糸の捻れの弾性および鏡と記録紙までの距離に依存する。感度すなわち記録紙上で単位長 (1mm) がいくらの磁場変化 (nT) に対応するかは、通常各月毎にどこかに記されている。通常、フィルムの月初めに感度等が与えられている。ロシアの記録では、月初めのマグネトグラム上に手書きで書かれている。マグネトグラムにはスケールを付けてマイクロフィルムに記録されているので、記録紙上の変化分を実際の磁場変化に直すには、比例係数を求めて、かけ算する必要がある。
変化計本体は構造が単純で故障は非常に少なく安定であるといえるが、印画紙の交換・光源の調節等人手を要する。大きな擾乱があると3本の線が交差して、マイクロフィルム上では区別がつきにくいという欠点もある。また、マイクロフィルム化する際にカメラレンズの性質で周囲が歪んでいる場合も多いので注意を要する。使用にあたっては上記測定装置の原理を念頭に置いて使用していただきたい。
地電流 (Earth current) とは、文字通り地中を流れる電流のことであり、観測は大地に埋設した2本の電極間の電位差を測り、電場の形で表現される。成分は通常、東西と南北の2つである。地電流の原因には直流電車からの漏洩電流などといった人工的なものもあるが、自然現象としての地電流のうち比較的短周期なものは、地磁気変化場により地球内部に誘導されたものが主である。
地電流と地磁気変化の振幅比や位相差は地下の電気伝導度についての情報を含んでいるので、地電流は地磁気と組み合わせてそのための研究に用いられる。また、地電流記録は地磁気データがないときの代わりとしても使われる。
テルリグラム (Tellurigram) とは地電流のアナログ記録のことで、地磁気のアナログ記録であるマグネトグラムと同様、通常記録 (Normal run) と、速い変化を記録するための早回し記録 (Rapid run) とがある。記録の原理や方法はマグネトグラムと同様で、磁場の変化の代わりに地電場の変化を記録する。
教材として、「ペットボトル磁力計」とよばれる簡単なつり下げ型磁力計を作ることができます。当センターでは、ウェブカメラによる画像記録と、プログラムによる光点位置の自動推定を組み合わせてペットボトル磁力計を改良し、ごく小さな地磁気変化も測定できるようにしました。このシステムを使って、受講者が実際に地磁気変化を測定する授業も行っています。詳しくは次のセンターニュースと講義資料をご覧ください。
COMPASS の開発と運用は、次の機関・資金の支援を受けています。
このアーカイブに過去のマグネトグラムを提供していただいた、すべての観測所と研究機関に深く感謝します。
IIIF の実装には、国際 IIIF コミュニティが開発したオープンソースの IIIF ビューワー Mirador と、高速な画像配信のための IIPImage Server を使用しています。IIIF コンソーシアム、Mirador 開発チーム、IIPImage Server 開発コミュニティの貢献に感謝します。