詳解年表

訳者註:一般的事項の歴史の年月については、異説のあるものもありますが、すべてスターンの英文ホームページ中の年表の年月に従いました。

  赤字の年月は、『大いなる磁石、地球』 の歴史に直接関係した出来事を表します。
  黒字の年月は、社会、科学、技術一般の歴史に関係した出来事を表します。
  地球外の宇宙空間、太陽、惑星などの磁気についての年表(英文)はこちら

  • 紀元前13000年〜11000年頃 --- 人類が北米大陸に到達(火と衣服の助けを借りて、アラスカを通ってきたものと推定される)。
  • 紀元前10000年頃 --- 最終氷期(一番最近の氷河期)が終わる。
  • 紀元前3000年頃 --- 人類が青銅器を使い始める。
  • 紀元前2700年〜2300年頃 --- エジプトでピラミッドが建造される。ナイル川、チグリスユーフラテス 川、インダス川の流域などで文明が栄える。
    エジプト人、ヒエログリフと呼ばれる文字を発明し、パピルスに記す。
    ユーフラテス文明では、粘土板に楔形文字を記録。
  • 紀元前1400年頃 --- 現在のトルコ付近に住むヒッタイト人、鉄器を発明。
  • 紀元前1200年頃 --- トロイ戦争。 ホメロスの「イリアド」、「オデッセイ」などの叙事詩がこの後に書かれる。

  • 紀元前1000年〜586年 --- 旧約聖書にユダヤ王国の記述。
  • 紀元前431年〜404年 --- アテネとスパルタがペロポネソス戦争。巨大な手漕ぎ船での海戦。
  • 紀元前333年 --- 北ギリシャ出身のアレキサンダー大王、 イッソスの戦いでペルシャ軍を撃破、さらにエジプトからインドに至る広大な土地も征服。征服した各地にアレキサンドリアという町を建設する(エジプトのア レキサンドリア市は今でも現存する!)。
  • 紀元前270年頃 --- サモスのアリスタルコスが地動説を唱え、太陽までの距離ならびに太陽の大きさを推定する。
  • 紀元前250年頃 --- エラトステネス (276-192 BC) が地球の大きさを測定。
  • 紀元前146年 --- ローマ がカルタゴ(現在のチュニス付近を首都としていた)を打ち破る。その後ローマはヨーロッパの大部分と北アフリカに広がる大帝国を建設、ギリシャ文化に代 わってローマ文化が広がる。ローマ人たちは、都市に水道、橋、舗装道路などを建設し、その文化は繁栄を極めた。
  • 紀元前48年 --- シーザーがローマの終身独裁官となる。シーザー暗殺以後、ローマに歴代皇帝が君臨し続ける。

  • 30年 から 36年 --- キリストがはりつけの刑に処される。
  • 140年 --- プトレマイオスが著書『アルマゲスト』の中で、地球を中心とした天動説を唱える。
  • 313年 --- コンスタンチヌス一世がキリスト教を公認。330年、コンスタンチヌス一世は、現トルコのイスタンブール付近にコンスタンチノープルという都を建設、ロー マ帝国はローマを中心とする西半分とコンスタンチノープルを中心とする東半分(ビザンチン帝国)に次第に分裂し始める。
  • 410年 --- アラリック率いる西ゴート族がローマに侵入。ローマは衰退。フン族のアッチラ大王もコンスタンチノープル(後の452年にはローマ)まで達する。ヨーロッ パは「暗黒時代」に突入、人々の生活、教育、商業、交通などあらゆるものが後退する。暗黒時代はルネサンスの到来まで続く。
  • 622 年--- マホメットがメディナに移住、イスラム教国家を樹立(イスラム暦の元年)。その後、中近東、北 アフリカ、スペインを征服。
  • 1000年頃 --- 中国人が、水に浮かべた磁石が南を指すことを発見。

  • 1000年〜1400年 ---  ヨーロッパは封建社会。城、騎士、宗教の世の中。科学や技術はかえ りみられず。バイキングが活躍し、グリーンランドやアメリカにも至る。モンゴルが勢力拡大、ロシアの南部地域 を従属させる。
  • 1095年〜1291年 ---  十字軍
  • 1187年 --- アレキサンダー・ネッカムが、コンパス(方位磁針)について記述。
  • 1269年 --- ペレグリヌス、『磁石についての書簡』。
  • 1460年 --- グーテンベルクの活版印刷術。中国から伝わったを用いて本が発行され、文 化・技術の発展に貢献、ルネサンスの原動力となる。
  • 1492年 --- コロンブスがスペインより出港、西を目指す。大西洋の途中で、地磁気の偏角が東向きから西向きに変わった事を記録。
  • 1492年 --- コロンブスがアメリカを発見。スペイン(一部ポルトガル)の探検家が続く。ヨーロッパでは、ス ペインフランスイギリストルコドイツの勢力伯仲。
  • 1543年 --- コペルニクス (1473-1543) の地動説。
  • 1581年 --- ロバート・ノーマン 『新しい引力』を出版、地磁気伏角について発表。
  • 1582年 --- グレゴリオ13世による改暦。
  • 1588年 --- イギリス海軍がスペインの無敵艦隊と交戦して勝利、 初めてアメリカ大陸の利権を得る。
  • アメリカよりジャガイモ、トマト、とうもろこしがヨーロッパに、そしてアジアに伝わる。砂糖、オレンジ、インド原産の胡椒なども ヨーロッパ人の食生活に浸透してくる。
  • 1600年 --- ウィリアム・ギルバート、 『磁石論』。地球自体が一つの巨大な磁石であると主張。
  • 1609年 --- ガリレオ・ガリレイ(1564-1642) が望遠鏡を製作、月のクレーター、木星の4大衛星、土星の輪、金星の満ち欠けなどを発見。
  • 同年 --- ヨハン・ケプラー (1571-1630)がチコ・ブラーエの観測結果を基に、天体の運動に関する第1法則、第2法則を発見。
  • バージニア(現ノースカロライナの一部)ロアノーク島への殖民失敗(1586)の後、1607年にジェームスタウン建設。 1620年、イギリスのピューリタン(清教徒)が初めてマサチューセッツ湾に移住。
  • 1618年〜1648年 --- 30年戦争。マルチン・ルターが教皇から破門されてちょうど1世紀の後、大規模な宗教戦争がヨーロッパを駆け巡った。ドイツは荒廃し、スウェーデンが軍事 的脅威として台頭した。イギリスでは、1645年から1660年まで議会が君主政治を停止し、その間、1649年にイングランド王チャールズ一世は斬首刑 となった。
  • 1634年 ヘンリー・ゲリブランド、地磁気偏角が時間とともに変化することを発見(地磁気永年変化)。
  • 1683年 --- オスマントルコが神聖ローマ帝国の首都ウイーンを包囲するも撃退される。その時の戦利品と してもたらされたコーヒーが流行する。イギリスではアメリカから伝わったタバコも広まる。
  • 1686年 --- アイザック・ニュートン(1642-1727)が『プリンキピア』を著し、力学ならびに重 力について論じる。
  • 1699年 エドモンド・ハレー、初めて磁気測量を行う。
  • 1708年 --- イギリスのアブラハム・ダービー、石炭(コークス)を用いた製鉄法を実用化。イギリスでは森林資源が枯渇し始めていたこともあり、石炭が木 炭に取って代わり、製鉄もコークスを用いて行われるようになった。1712年、ニューコメンが蒸気機関を利用したポンプを発明。
  • 1712年 --- ロシアのピョートル大帝が新しい都、セントペテルスブルクに遷都。セントペテルスブルクは 「西への窓」と呼ばれ、バルト海の主要港となる。
  • 1722年 イギリスのジョージ・グラハム、地磁気偏角の日周変化を発見。
  • 1741年 ロンドンのグラハムとスウェーデンのセルシウスが、オーロラの際の地磁気の乱れを同時に観測。
  • 1749年 --- アメリカのベンジャミン・フランクリン、雷が電気現象であると主張(1752年に凧の実験)。
  • 1769年 --- ジェームス・ワット(1736-1819)が近代的蒸気機関を考案。
  • 1775年〜83年 --- アメリカ独立戦争。 1787年、合衆国憲法を制定、連邦共和国となる。
  • 1777年 クーロンがねじれ秤を用いて、電気力を測定(後に、電気力、磁気力の逆2乗の法則を導く)。
  • 1781年 --- イギリスに移住したドイツ人音楽家のウィリアム・ハーシェル、自作の反射望遠鏡で天王星を発 見。
  • 1783年 --- フランスの製紙工場経営者、モンゴルフィエ兄弟が初めて熱気球による有人飛行に成功。そのわ ずか11日後、シャルルも水素気球による有人飛行に成功。
  • 1789年 --- フランス革命。 フランスは王制を廃止、続いて国王ルイ16世を処刑。その後、フランスはアメリカを手本とする共和制に移行したが、軍人上がりのナポレオン・ボナパルトに 実権を奪われて帝政となる。1798年から1815年の間、ナポレオン率いるフランス軍は戦争に明け暮れ、ヨーロッパ大陸の大部分を支配下に置いたことも あった。
  • 1793年 --- マッケンジー、カナダ横断
  • 1796年 --- イギリスのエドワード・ジェンナー、天然痘のワクチン(種痘)を開発。
  • 1798年 --- キャベンデッシュ(1731-1810)が実験室で初めて、2物体間の万有引力の測定に成功。
  • 1801年 --- アレクサンドロ・ボルタ が世界初の電池(ボルタの電池)を発明。
  • 1803年 --- アメリカがナポレオンよりルイジアナを買収。土地開拓のため、メリウェザー・ルイスウィ リアム・クラークがセントルイスからコロンビア川の河口まで大陸を横断。
  • 1803年 --- イギリスの化学者ドルトン、すべての物質は原子からできているという説を発表。
  • 1807年 --- アメリカ人ロバート・フルトン、ハドソン川で初めて外輪式蒸気船の試運転に成功。
  • 1807年 --- イギリスのデービー、水酸化ナトリウムの電気分解により、初めて金属ナトリウムを分離。
  • 1811年 --- シモン・ボリバルが、スペイン植民地であったラテンアメリカの独立戦争を始める。ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、ペルーが独立。
  • 1820年 --- エールステッド、電流が磁場を作ることを発見。
  • 1820年 --- アンペール、電流間に働く力として磁場を説明。
  •   産業革命。1825年、イギリスのスティーブンソン社が蒸気機関車による鉄道を開業。1830年、アメリカでも、クーパーによる鉄道開通。大規模な繊維 業、製紙業始まる。1856年、イギリスのベッセマー、画期的な製鉄法を発明。
  •   1826年 --- フランスのダゲール、写真技術を発明。写真に関する技術は、その後 急速に発展する。
  • 1828年 --- フンボルトの勧めに従い、ガウスが地磁気の研究を開始。ガウスは後に、磁場強度の絶対測定法 や電信機などを発明。
  • 1831年 --- ファラデー、電磁誘導を発見。後にディスクダイナモを提唱。ロスとサビーナ、 磁 北極に到達。
  • 1832年 --- ファラデー、流水が地磁気を横切るときに発生するダイナモ電流を測定しようと試みる。
  • 1833年 --- ファラデー、化合物の電気分解に関する法則を導き、原子が電荷を持つことを示唆。
  • 1834年 --- ガウスが、「ゲッチンゲン磁気協会」を設立。後の1836年から39年にかけて、球面調和解析を地磁気に応用。
  • 1836年 --- スウェーデンのエクリソン、船のスクリューを考案。
  • 1837年 --- アメリカの発明家サムエル・モールスが電信を発明。1844年、商用の有線電信通信始まる。 1866年、当時の大事業であった、ヨーロッパとアメリカを結ぶ大西洋横断海底ケーブルの敷設に成功。
  • 1843年 --- ハインリヒ・シュワーベ、太陽黒点の11年周期を発表。
  • 1843年 --- ジュール(1818-89)が熱の仕事当量を測定。
  • 1846年 --- アメリカ人歯科医のモートン、エーテルによる麻酔を導入。
  • 1849年 --- カリフォルニアでゴールドラッシュ
  • 1851年 --- フンボルトがシュワーベの説を出版。太陽黒点周期という考えが広く受け入れられる。
  • 1852年 --- サビン、磁気嵐も太陽黒点周期に従うことを発見。
  • 1856年 --- ペリーが日本に来航、開国を迫る。この後、日本は急速な近代化を遂げ、50年後には戦争でロ シアを破るほどになった。
  • 1859年 --- リチャード・キャリントン(カリントン)、太陽の白色光フレアを観測し、白色光フレアに少 し遅れて大きな磁気嵐が発生することを発見。
  • 1859年 --- イギリスのダーウィン、『種の起源』。
  • 1859年 --- ペンシルバニアのタイタスビルで、エドウィン・ドレークが石油の採掘に成功。照明、暖房など のために石油を採掘、精製する時代が到来。石油は後にガソリンエンジン、ディーゼルエンジンにも使われるようになる。
  • 1861年 --- ピエモンテ主導でイタリア統一。1850年〜70年、プロシア主導でドイツも 統一。
  • 1860年〜65年 --- アメリカ南北戦争。
  • 1864年 --- ジェームズ・クラーク・マクスウェルが電磁気学の基本方程式を導出。電気と磁気の理論を完 全統一し、光は電磁波の一種であると主張。
  • 1865年 --- イギリス人外科医であるジョゼフ・リスター、消毒を発明して外科手術に応用。
  • 産業革命継続。自転車が普及(最初は大きな車輪、後にもっと安全になった)。建築ラッシュ。ブルックリン橋 (1883)、自由の女神(1886)、エッフェル塔(1889)。
  • 1870年 --- スエズ運河開通、ヨーロッパとアジアが格段に近くなる。アフリカでは、探検と植民地化の時 代。
  • 1870年 --- アメリカ大陸横断鉄道開通。1891年〜1905年、シベリア鉄道建設。
  • 1876年 --- 電話の発明。
  • 1879年 --- エジソン、炭の糸(京都の竹を用いた)をフィラメントとした白熱電球を発明。
  • 1882年 --- ロンドンとニューヨークに発電所建設、大規模送電事業。
  • 1885年〜1900年 --- 電動モーターが実用化され、ヨーロッパの主要都市では地下鉄建設が相次ぐ(まず ロンドン、続いてブダペスト)。アメリカでも、地下鉄が建設される(まずボストン、次いでニューヨーク)。
  • 1884年 --- パーソンズ、スチームタービンを開発。発電所や船に応用される。1897年、ルドルフ・ ディーゼルが、ディーゼルエンジンを完成。
  • 1886年 --- ハインリヒ・ヘルツが電磁波の実験。マクスウェルの予言した電磁波の存在を実証。
  • 自動車が開発される(オーストリアのマルコス(1864)、ドイツのベンツ(1887)、アメリカのデュリア兄弟 (1893)など)。
  • 1890年 --- コダック社のイーストマン、ニトロセルロースを写真のフィルムに応用、映画用フィルム開発に つながる。
  • 1892年 --- ジョージ・エラリー・ヘール、「単色太陽写真儀」を考案。
  • 1895年 --- クリスチャン・ビルケランド、テレラを用いた電子線の実験を開始。ポアンカレー、磁力線の 周りの粒子の運動を計算。
  • 1895年 --- ドイルのレントゲン、X線を発見。
  • 1895年 ---  フランスのベクレル、放射能を発見。
  • 1896年 --- ピーター・ゼーマン、磁場が存在する場合、スペクトル線が分裂することを発見。
  • 1897年 --- J.J.トムソン、電子を発見。
  • 1903年 --- ビルケランド、「極磁気嵐」の存在を示唆。また、オーロラは太陽からの電子線によって起こるとも主張。
  • 1903年12月17日 --- ライト兄弟、ノースカロライナのキティーホークで初飛行に成功。
  • 1905年 --- アインシュタイン、特殊相対性理論ならびに光量子による光電効果の理論を発表。
  • 1906年 --- ベルナルド・ブルネ(ベルナール・ブリュンヌ)、現在の地磁気の方向とは逆に帯磁した岩石 を初めて発見。
  • 1906年 --- アメリカのド・フォレスト、三極真空管を発明。増幅作用を持ち、ラジオなどエレクトロニクス に応用される。
  • 1908年 --- ジョージ・エラリー・ヘール、ゼーマン効果を用いて、太陽黒点には強い磁場があることを証 明。
  • 1909年 --- オーストラリアの探検家、ダグラス・モーソンが南極大陸にある南磁極に到達。
  • 1909年 --- L.H.ベークランド、「ベークライト」を開発。これが世界初のプラスチック樹脂である。電 気回路の絶縁体として広く使われるようになる。
  • 1904年〜1914年 --- パナマ運河建設。
  • 1911年 --- ノルウェーのアムンセン、南極点に到達。
  • 1912年 --- アーサー・シュスター、磁気嵐は地球を取り巻くように流れるリングカレントが宇宙空間に存在 する証拠であるという説を発表。
  • 1912年 --- 中国で帝政が終焉を告げ、共和国に移行。
  • 1914年〜1918年 --- 第一次世界大戦。 ドイツ、オーストリア、トルコの同盟国と、ロシア、フランス、イギリス、イタリアの連合国との対立。ロシアでは1917年に革命が起こり、ツァーリ(ロシ ア皇帝)が共産主義労働者たちによって打倒された。そのため、ロシアは戦争から手を引いたが、代わりにアメリカが参戦し、連合国優位となった。飛行機、戦 車、機関銃、潜水艦、毒ガスなどの近代兵器が用いられた最初の戦争であり、未曾有の破壊をもたらした戦争でもあった。
  • 1916年 --- ロバート・H・ゴダードが、ラーバルノズル(先細末広型のノズル)を用いたロケットの実験を行う。
  • 1918年 --- アルフレッド・ウェゲナー、『大陸と海洋の起源』を出版、大陸移動説を唱える。
  • 1919年 --- ジョゼフ・ラーマー、太陽黒点の磁場は自励ダイナモによって作られていると提 唱。
  • 1922年〜1925年 --- イタリアでは、ムッソリーニが権力を握り、ファシズムが台頭してくる。
  • 1924年 --- ソ連では、共産主義のリーダー、レーニン死去。その後、スターリンが権力者となり、反対派を 次々と粛清・処刑、恐怖政治を敷く。
  • 1926年3月16日 --- ゴダードが初めて液体ロケットの打ち上げ実験に成功。
  • 1927年 --- チャールズ・リンドバーグ、アメリカからパリまで単独飛行。
  • 1927年〜1930年 --- 白黒映画のトーキー(有声映画)。1939年の「オズの魔法使い」はカラー映 画のはしり。カラー映画の定着まで10年の歳月を要した。
  • 1929年 --- 松山基範、現在の地磁気の方向とは逆に帯磁した岩石を研究。過去に地磁気の極性が逆転して いた時代があったことを示唆。
  • 1929年 --- ニューヨーク株式市場大暴落、世界恐慌の引き金となる。
  • 1929年 --- アメリカの天文学者、エドウィン・ハッブル、遠方銀河の観測結果から、すべての方角で銀河は地球から後退しつつあることを確認、膨張する宇宙を 主張。
  • 1930年 チャップマンとフェラーロ、(電子線ではなく)太陽からのプラズマ雲が地球の磁気圏を包み込むこと によって磁気嵐が起こると示唆。
  • 1930年 --- ドイツでは、第一次世界大戦後の不況や世界恐慌の影響から、アドルフ・ヒトラー率いるナチ党が 議席数で第二位となる。1933年にナチ党は政権を奪取。
  • 1930年 アルフレッド・ウェゲナー、グリーンランド探検中に遭難して死亡。
  • 1932年 --- イギリスのチャドウィック、中性子を発見。
  • 1932年 --- 細菌を殺す薬剤、サルファ剤発見。第二次世界大戦中にはペニシリン発見。その後、各種の抗生物質が 開発される。
  • 1933年 --- トーマス・カウリング、軸対称な自励ダイナモは存在しないことを証明。
  • 1936年 --- DC-3型旅客機初登場。21名の乗客を乗せて時速210マイルで飛行することができた。
  • 1939年 --- ドイツのハーン、マイトナー、シュトラスマンが核分裂を発見。ウラン原子に中性子を衝突させると、ウラン原子は2つに分裂し、その際に莫大なエネルギーを 放出することを確かめた。
  • 1939年〜1945年 --- 第二次世界大戦。 ヒトラーのナチスドイツがオーストリア、チェコスロバキアを併合、さらにポーランドにも侵攻。ナチスドイツはイタリア、そして1941年12月からは、そ れまでに中国に侵攻していた日本とも同盟を結ぶ。 ヒトラーのユダヤ人虐殺により、600万人のユダヤ人が殺害されたと言われる。第一次世界大戦を上回る惨事となった戦争であり、最新兵器、すなわち長距離 爆撃機、改良型潜水艦、ジェット戦闘機、レーダー、さらには戦争末期にはミサイルや核兵器までもが使われた戦争であった。ヒトラーに対抗するフランス、イ ギリス、ロシア、そして1941年からはアメリカも参戦した。1941年〜43年にかけて、ロシアでの冬季戦の敗北からドイツは戦局が苦しくなった。 1943年にはアメリカなどがイタリアに侵攻、イタリアを降伏させた。1945年にはドイツも降伏、最後まで抵抗した日本も降伏した。1945年、戦勝国 がサンフランシスコに集まり、世界平和を守り国家間の対立を仲裁する国際的組織として国際連合を発足させた。
  • 1942年12月2日 --- フェルミにより設計され、シカゴに建設された世界初の原子炉で臨界を実現、核分裂の制御に成功。
  • 1943年 --- ニューヨーク、ロックフェラー研究所のオスワルド・アベリー、細胞核内の未知の物質DNAが 遺伝情報を伝達していることを証明。
  • 1945年 --- 原子爆弾(核爆弾)がアメリカで完成。7月16日、ニューメキシコで核実験。日本の広島と 長崎に原爆投下 (8月6日と9日)、日本は降伏へ。
  • 1946年 --- エルザッサーがダイナモ理論に取り組むも、 解を得ることはできなかった。
  • 1947年 --- ジオバネーリが、太陽黒点近くの磁気中性点 からフレアのエネルギーが放出されると主張。
  • 1947年10月14日 --- チャック・イェーガー操縦のX-1型ロケットエンジン飛行機、超音速飛行に初めて成功。
  • 1947年 --- トランジスターが発明される。真空管に比べてはるかに小さく、はるかに長持ちするのが特 長。
  • 1947年 --- インド独立。イギリス、フランスが植民地を解体、多くの国が独立した(特にアフリカ)。イ ンドネシアは1949年に独立。
  • 1948年〜1949年 --- 冷戦の開始。東西陣営の対立。ソ連はベルリンに壁を構築して封鎖、西ベルリン への補給は大型航空機により行われた。
  • 1949年 --- 白黒テレビの視聴者数がアメリカで100万人を突破。その2年後には、1000万人に達し た。
  • 1949年 --- イギリスでコメットと呼ばれるジェット機の商業運航開始。コメットは設計上の問題から後に運 行中止となったが、1958年、フランス製のカラベル、あるいはもっと大型のボーイング707などが投入され、ジェット機の時代に。船舶による移動は急速 に廃れる。
  • 1950年 --- アメリカのマーシャル国務長官、「マーシャルプラン」を提案。戦争で荒廃したヨーロッパ各国 復興のための、巨額かつ低金利の援助政策。
  • 1950年 --- 北朝鮮、韓国に侵攻。アメリカが参戦して戦局が逆転、北朝鮮を追い詰めるが、中国の義勇軍 派遣により押し戻され、膠着状態となった。
  • 1951年 --- ホスパーズ、アイスランドで採取した溶岩の 磁気の研究結果から、過去の地磁気の逆転は確実と結論。
  • 1951年 --- レミントン・ランド社が、世界初の大型電子計算機UNIVACを開発。
  • 1952年 --- ランコーン、地磁気の極性の逆転を説明するために「さ まよう極」という考えを提案。
  • 1952年 --- アメリカ、原子爆弾の500倍の威力を持つと推定される水素爆弾の核実験を実施。
  • 1953年 --- エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイ、エベレスト山初登頂に成功。
  • 1954年 --- アメリカ最高裁判所は、公立学校における人種分離教育を違法と認定する判決を下す。
  • 1955年 --- フランクリンとバーク、木星からの電波を発見。ユージ ン・パーカー、太陽のトロイダル磁場からポロイダル磁場が作られる機構を提案。
  • 1955年 --- アメリカの微生物学者ジョナス・ソーク、ポリオに対するワクチンを開発。続いて1960年、 アルバート・セービンが経口生ワクチンの開発に成功、実質的にポリオは撲滅された。
  • 1953年〜1958年 --- ワトソンとクリック、DNAの2重らせん構造を立証、DNA転写のメカニズムが 明らかに。1966年までに、全遺伝暗号(「普遍暗号」と呼ばれる)の解読に成功、ある種のタンパク質合成に成功した。近代分子生物学の始まり。
  • 1956年 --- ソ連軍、共産圏からの離脱を試みるハンガリー動乱に介入、これを武力鎮圧。
  • 1956年 --- 初めての大型原子力発電所がイギリスで稼動し始める。
  • 1957年 --- スプートニク1号と2号打ち上げ。宇宙時代 の幕 開け。シンガー、リングカレントは磁力線に捕捉された低エネルギー粒子からなるという説を提案。
  • 1958年 --- エクスプローラー1号と3号、放射線帯内帯を 発 見。ユージン・パーカー、太陽風を予言。
  • 1958年 --- アメリカで州間高速道路網開通。
  • 1958年 --- アメリカ大統領アイゼンハウアー、NASAを設立。
  • 1959年 --- トム・ゴールド、「磁気圏(Magnetosphere)」という造語を提案。ドレーク、木星にも放射線帯が存在すると主張。
  • 1961年 --- ヘスとディーツが、海洋の中央海嶺から地殻が広がるという説を提唱。ダンジー、磁気圏内における磁力線再結合過程という考えを提案。また、アックスフォード、ハインズがプラズマ対流という考えを提案。バブコック、太陽黒点周期に関する理論を発表。
  • 1961年4月12日 --- ソ連の宇宙飛行士ガガーリン、人類史上初めて宇宙に行き、地球を周回する。
  • 1961年5月25日 --- アメリカ大統領J.F.ケネディー、1960年代末までに人類を月に送ると言明。
  • 1962年 --- モーレー、バイン、マシューズが、海洋底の地磁気縞模様は海 洋底拡大と地磁気の極性逆転によって作られたとする説を発表。 エクスプローラ12号衛星がマグネトポーズ(磁気圏境界)を通過。マリナー2号が太陽風の流れを観測。
  • 1962年2月20日 --- ジョン・グレン、アメリカ人として初めて宇宙に行く。
  • 1963年 --- IMP1号衛星打ち上げ、地球磁気圏尾部の構造が初めて明らかになる。ヴァンガード3号衛星、宇宙から地球主磁場の分布を測定。
  • 1963年 --- 部分的核実験禁止条約。
  • 1964年 --- 赤祖父、Meng他、地磁気サブストームの形 態に ついて研究。ブラギンスキーが運動学的ダイナモの解を初めて発表。
  • 1969年7月20日 --- アポロ11号宇宙船、月面着陸
  • 1970年2月11日 --- 日本初の人工衛星「おおすみ」、内之浦実験場よりラムダ4S型ロケットによって打ち上げ。
  • 1970年11月17日 --- ソ連のルナ17号、ルノホートと呼ばれる無人探査車輌を月面に降ろす。
  • 1971年から1972年 --- アポロ15号、16号による月の磁場調査。
  • 1972年 --- OGO 7衛星がコロナホールを観測。後の1974年、大型有人宇宙ステーション「Skylab」上でも観測。
  • 1973年 ---ズムダとアームストロング、極域におけるビルケランド電流の分布図を公表。
  • 1973年 --- パイオニア10号、木星磁気圏を通過(12月4日)。 パイオニア11号 (1974年)、ボイジャー1号と2号 (1979年)、ガリレオ(1995年。周回軌道に入る)も木星を観測。
  • 1974年 --- マリナー10号、水星を通過、水星の磁場を観測。
  • 1975年 --- ローズとウィルキンソン、実験室でダイナモ作用を再現。
  • 1975年 --- ベトナム戦争終結。
  • 1975年 --- スティーブ・ジョブズとステファン・ウォズニアックが、アップルという名のパーソナルコンピュー ターを初めて製作。
  • 1976年7月20日 --- バイキング1号が火星に軟着陸、表面の写真を撮るとともに、生命体の存在を調査。
  • 1977年9月5日 (8月20日) --- ボイジャー1号 (2号) が木星に向 けて打ち上げられる。1979年3月5日(7月9日)に木星に到着。土星には1980年11月12日 (1981年8月26日) に最接近。 ボイジャー2号はさらに天王星(1985年1月25日)と海王星(1989年8月25 日)にも到達。
  • 1981年 --- Magsat衛星により、宇宙から初めて地球磁場の精密分布が測定される。
  • 1981年4月12日 --- スペースシャトル初の打ち上げ。
  • 1981年 --- アメリカでAIDSが広がり始める。
  • 1994年 --- ユリシス衛星が太陽南極上空の高速太陽風を観測。
  • 1997年 --- マース・グローバル・サーベイヤが火星の帯磁を測定、核起源の(ダイナモ作用による)磁場を発見できず。観測期間:1999年3月から2000年8月。
  • 1997年 --- グラツマイヤらが、地磁気ダイナモ、特に極性の逆転についてのコンピューターシミュレーションを行う。
  • 1999年 --- 地球主磁場の観測のため、エールステッド衛星が打ち上げられる。

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原著者:   Dr. David P. Stern
原稿更新日 2002年10月30日