No. 41 [Jan. '97] No. 42 [Mar. '97] No. 43 [May. '97]
★地磁気センターニュース No.44/1997年7月25日発行★ 1.新着地磁気データ 前回ニュース(1997年5月28日発行,No.43)以降入手、または、当センターで入力したデータの 内、主なものは以下のとおりです。(観測所名の省略記号等については、データカタログまたはデ ータベース'GEOMAG'をご参照ください。) Newly Arrived Data (1)Analogue Data Normal Run Magnetograms: Memambetsu(Jan-Mar,1997) Rapid run Magnetograms: Wingst(Jul,1995-Jun,1996) Annual Reports and etc.: Niemegk(Apr-May,1997), Finnish Obs.(HAN,NUR,OUJ,SOD, May,1997) Fredericksburg(May,1997), Hatizyo(1995), Kiruna(Jul-Dec,1996) L'Aquila(1995), Syowa Station(1995), Nagycenk(1992-93) Lovozero(Jan-Sep,1996) (2)Digital Data Geomagnetic Hourly Values: Lunping(May-Jun,1997), Alibeg(1993-95) Kakioka,Kanoya,Memambetsu(May, 1997) Chichijima(Jan-Mar,1997), Scott Base(1996), Eyerewell(1996) 1216 obs.year from WDC-C1 for Geomag. Geomagnetic 1 Minute Values: Kakioka,Memambetsu,Kanoya(May,1997), Lunping(May,Jun,1997) Hatizyo(Apr-Jun,1997), Chichijima(Jan-Mar,1997) Valentia(May,1997), Wingst(1995) Geomagnetic 1 Second Values: Kakioka(May,1997) (3)Kp Index Kp-Index Table(May-Jun,1997) なおデータの注文等は、当センター宛、書面またはFAXにてお願いします。 2.一時間値Dst指数の算出と配布 1997年3月〜5月までのDst指数(Provisional)を算出し、関係機関に配布しました。 ご希望の方は、郵便またはファクシミリにて、京都大学理学部地磁気世界資料解析センターまで お申し込み下さい。なお、Quick Look DstおよびQuick Look AE指数は2〜3日の遅れで当センタ ーのホームページから利用できます。 3.地磁気センターWWWサーバーの利用状況 1995年9月より開始した当センターのWWWホームページ(http://swdcdb.kugi.kyoto-u. ac.jp/)によるデータおよび情報サービスは、その後、学生諸氏の強力な応援も得て、様々な機能 が追加拡張され、世界各地から連日多数の利用を得ている。現在の利用状況を把握し、サービス の向上に役立てるため、ホームページへのリクエストの統計を1997年7月1日時点でとって みた。 (1)月別リクエスト数の推移(図1) 開設当初は月に1000件程度であったが、昨年7月前後から5000件以上に増加し、その 後、今年2月以降は1万件に、そして6月には約3万件と、段階的に急激な伸びを示している。 推測ではあるが、昨年および今年6月前後のジャンプは、当センターが、日米地球観測情報ネッ トワーク(Global Observation Information Network; GOIN)のデモンストレーション(昨年は東 京、今年はコロラド州ボールダー(*注1))に参加したことが契機になっていると思われる。 また、今年2月のジャンプは、準リアルタイムAE及びDst指数のサービスおよび峰山におけ るリアルタイムPi2脈動検出結果の表示が追加されたことによると考えられる。 図1 月別リクエスト件数の推移。(Monthly requests from our WWW server.) (2)リクエストの国別分布(図2) 図2に、今年1月から6月末までの、当センターのホームページへのリクエスト件数の国別分 布を示す。全部で50カ国からのアクセスがあったが、そのうち500件以上のリクエストがあ った分について示す。この図を見ると、国内及び米国が圧倒的に多いことがわかる。国内と米国 からの利用数がほぼ等しいことは注目される。残りはヨーロッパ諸国が主で、次に多いのは韓国 である。国が特定できなかった件数もおそらく上記のような構成になっていると思われる。 海外であるにもかかわらず、米国からの利用がこのように多いのは、インターネットの普及と米 国が国家事業として取り組んでいるSpace Weather(宇宙天気予報)計画に地磁気のリアルタイ ム観測データが重要であることによると推測される。 図2 国別リクエスト件数 (Distribution of requests by countries) (3)サービス種別利用頻度分布(図3) 図3に、今年1月から6月末までの、サービスの種類によるリクエスト件数(100件以上の もの)の分布を示す。その日(または数日以内)の準リアルタイム地磁気観測データを表示する 'QL-Magnetograms'(クイックルックマグネトグラム)とサブストームの開始と密接な関係がある と考えられているリアルタイムPi2脈動検出結果を信楽でのリアルタイム観測データに重ねて 表示する'RT-Pi2'(リアルタイムPi2)が圧倒的に多いのがわかる。次に多いのがDst指数 で、これは磁気嵐の予報を主目的とする宇宙天気予報計画の影響ではないかと思われる。これら の結果は、多くのユーザーがリアルタイムの地磁気観測データ及び指数を必要としていることを 示している。 図3 サービス別利用状況 (Number of Requests by services) (4)要求データの期間分布(図4) 図4に、今年1月から6月末までにリクエストがあった地磁気1分値、AE/ASY/SYM 指数、及び1時間値プロットの期間別分布を示す。この図から、ここ数年内のデータに対するリ クエストが大部分であることがわかる。1981年、1985年、1991年および1996年 にピークがあるが、おそらくこれらは特定の衛星観測計画に影響されているものと推測される。 図4 リクエストされたデータ期間の分布 (Distribution of data period requested). 以上のような統計から、最近の地磁気観測データに対する利用者の要求は、より迅速なサービ ス、リアルタイムデータ提供に重心があることがわかる。当センターとしては、これに答えるべ く努力を継続するとともに、それに対する各方面の御協力をお願いしたい。 (注1)GOINについての情報は、http://www.GOIN.nasda.go.jp や http://www.ngdc.noaa.gov/stp/GOINの各サイトから得ることができる。 4.ヨーク(英国)におけるPi2脈動リアルタイム検出の開始 京都大学防災研究所峰山観測室において行っているPi2地磁気脈動自動検出と同様のシステ ムが、英国ヨーク大学(D. Orr教授および D. Milling博士)においても6月から開始され、E− mailによりその都度当センターにも送られてくるようになった。その結果は、峰山における 検出結果とともにホームページ上で公開されているので、参考にしていただければ幸いである。 ただし、峰山よりはかなり緯度が高いことなどにより、検出の基準が異なっているので、今後比 較検討を行う必要がある。なお、峰山のデータに関しては、検出時刻を含む20分間のデータが 示されているので、それをご覧いただいて、人工ノイズの誤検出等に注意してください。