News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース
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地磁気世界資料解析センター News No.104 2007年7月31日
1.新着地磁気データ
前回ニュース(2007年5月30日発行, No.103)以降入手、または、当センターで入力したデータの
うち、主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略記号等については、
観測所カタログ(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
また、先週の新着オンライン利用可データは、
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で御覧になれ、2ヶ月前までさかのぼる
こともできます。
Newly Arrived Data
(1)Annual Reports and etc.
NGK (Apr. - Jun., 2007), SOD, OUJ, HAN, NUR (Apr., - May, 2007)
(2)Kp index: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
May, - Jun., 2007
2.AE指数とASY/SYM指数
2007年6月分までの1分値ASY/SYM指数を算出し、ホームページに載せました
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
また2007年6月までのAE指数も上記アドレスからダウンロード可能です。
3.Provisional Geomagnetic Data Plots について
世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットしたProvisional Geomagnetic Data Plotの
2007年4月までのポストスクリプトファイルが利用できるようになりました。図の形式は2日分が1画面
です。
(ftp://swdcftp.kugi.kyoto-u.ac.jp/data/pplot)。
4.Provisional AE指数WWWページのお知らせ
Realtime (Quicklook) AE指数WWWページのリニューアルについては、2007年3月30日発行の地磁気
センターニュース102号に掲載しましたが、このたびProvisional AE指数のWWWページが出来ましたので
お知らせします。URLアドレスは以下の通りです。
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/ae_provisional
デジタルデータにつきましては、
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy
から任意の時間幅についてプロットおよびダウンロードできるようになっています。
Provisional AE指数を計算するに当たっては、その時点で利用可能な観測所のデータのうち、最も確定値
に近いレベルのデータ(速報値(quicklook)a暫定値(provisional)a確定値(final)の順)を利用しています。
速報値には、しばしば人工ノイズが含まれていることがあるため、地磁気センタースタッフの目によりノイズ
除去を行ったデータを用いています。
図1-1 : 2006年12月22日のAE指数Realtime (Quicklook) AE指数
図1-2 : 2006年12月22日のAE指数Provisional AE指数
Provisional AE指数では、赤矢印で示した0440UT頃のスパイクノイズが取り除かれているのに
加え、赤横線の時間帯(2100-2200UT頃)には 観測所の数が増えていることが分かる。
図1は、Provisional AE指数(図1-2) がRealtime (Quicklook) AE指数(図1-1) に較べ、どのように修正
されているかの例を示しています。この例では、赤矢印で示した0440UT頃のスパイクノイズが取り除かれ、
赤横線の時間帯(2100-2200UT頃)には観測所の数が増えていることが分かります。現時点においては、2006年
後半および2007年前半のProvisional AE指数の算出が終了しましたが、他の月に関しても漸次算出・公開
を行っていく予定です。また、最新のProvisional AE指数については、2-3ヶ月程度の遅れを目標にして
います。
表1: AE指数を算出するのに利用する12観測所の地理座標・地磁気座標。
地磁気座標は、2005年1月1日の値をIGRF-10モデルによって計算した。
図2: AE指数を算出するのに利用する12観測所の位置。地磁気座標において、10°ごとの緯度線および
15°ごとの経度線も示している。(この表示は、http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/~nose/kml から
も行える。)
AE指数に寄与する観測所は表1および図2に示した12観測所ですが、欠測などでデータがすべて
揃わない場合でも指数の算出が行われています(2006年-2007年にかけては、およそ9-10観測所のデータ
が利用されています)。そのため、欠けている観測所付近の磁場変動が指数に反映されていないことが
あります。また、欠けている観測所の数や場所は一定ではありません。これらの注意点をご理解の上、
ご利用くださるようお願いいたします。
Provisional AE指数は、各観測所(Abisko [SGU, Sweden], Cape Chelyuskin [AARI, Russia], Tixie
Bay [IKFIA and AARI, Russia], Pebek [AARI, Russia], Barrow, College [USGS, USA],
Yellowknife, Fort Churchill, Poste-de-la-Balein [CGS, Canada], Narsarsuaq [DMI, Denmark], and
Leirvogur [U. Iceland, Iceland])およびRapidMAGプロジェクト、情報通信研究機構の協力により算出
されています。関係各者に深く感謝いたします。
5.故亀井豊永助手が "IAGA Medal for Outstanding Long Services"を受賞
<IAGA会長からメダルと賞状を <メダル>
受け取られる角川和子氏>
昨年9月に亡くなった故亀井豊永助手に対し、7月2日から13日までイタリアのペルージアで開催
された第24回国際測地学地球物理学連合(IUGG)総会の初日に開催されたIAGA代表者会議において、
学界に対し長期間重要な貢献をした研究者・技術者に与えられる"IAGA Medal for Outstanding Long
Services"が授与された。授賞にあたっては、当センターが30年以上にわたり全世界に提供している地磁
気AE(AuroralElectrojet)指数およびDst(磁気嵐)指数の算出作業に於いて長年にわたり中心的役割を
果たし、学界に大きな貢献をしたことが高く評価された。今は亡き同氏に代わり、実姉の角川和子氏が
この授与式に出席され、IAGA会長からメダルと賞状を受け取られた。
6. Perugia IUGG IAGA 第5部会(地磁気データおよび観測所)報告
イタリア・ペルージャのペルージャ大学をメイン会場にして、7月2日から13日までの日程で開催
された第24回国際測地学地球物理学連合(IUGG)総会に出席してきました。ただし、今回から、メンバー
組織である国際地球電磁気学超高層大気物理学協会(IAGA)のセッションは前半の1週間に短縮されたので、
私自身は前半の週のみ出席しました。
<IUGG総会開会式>
IAGAの日程が、これまでの2週間から1週間に短縮されたため、おそらく最も影響を受けたのが、
研究発表が無い時間帯に開催せざるを得ない、実務的なことについて意見交換と決定を行う、いわゆる
ビジネスミーティング(以下BMと略記)でした。
私が今回の総会まで4年間部会長を務めさせていただいた第5部会には3つの作業委員会(ワーキン
ググループ)があり、最初の4日間のうちにそれらのBM、および、その結果の報告や次期役員の選出、
次回IAGA総会のセッション構成など決める第5部会全体のBMなどを済ませ、5日目の午前中にIAGA
執行部に報告する必要がありましたので、関係の人たちとの連絡などで、研究発表のセッションには
ほとんど出席する余裕がありませんでした。(小間切れの時間はありましたが、会場の構造がたいてい
教室の前に一つしか出入り口が無く、セッションの途中で出たり入ったりするのが難しいという事情も
ありました。)
第5部会に現在3つ置かれたワーキンググループのBMはいずれも昼食時間に、しかも2つはパラレル
にせざるを得なかった影響か、通常は紛糾することの多い第5部会関係のBMも今回はほぼ時間内に終
わりました。今回から部会長・副部会長の選出方法が変わり、従来のルールですと、BMの最初に、次期
部会長に予定されていた副部会長に議事進行をバトンタッチして、後はお役ご免だったはずが、各部会
から2名ずつの次期部会長・副部会長候補を選出し、執行部で地理的分布などを考慮してその中から選ぶ
という方式に変わったため、一回余分に議長をしなければならない羽目になり、しかも選出を巡って紛糾
する可能性が高かったので、へたくそな英語でどうしてBMを乗り切ろうかとたいへん不安でしたが、
時間に追われているという雰囲気も手伝ってか、それ程紛糾もせず、その点ではホッとしました。
第5部会からの主な報告としては、下記6点と、新役員が決まったことです。
1.地磁気観測所のIAGA3文字コードでは海底観測所や変化磁場観測だけの観測点には対応できな
いので、それらについては新たな命名規則(例えば後ろに2文字のコードを追加するなど)を
策定することになり、そのための作業グループが作られた。
2.過去の地球観測データを保存するように各国関係機関に働きかけるIUGGの決議を提案した。
3.第13回地磁気観測ワークショップは米国地質調査所(USGS)の世話で、2008年6月9-18日に、米
国ボールダー地磁気観測所で開催される。
4.地磁気指数についてコンパクトに解説した"IAGA guide on indices"の編集が最終段階にあり、
2名の査読者によるチェックを経て、webから公開される予定。
5.国際標準地球磁場モデル(IGRF)を国際標準化機構(ISO)モデルとすることについて、IAGA
第5部会が積極的に関与する方針で対応することになった。
6.地磁気1時間値の算出にあたっては、INTERMAGNETプロジェクトで用いている計算方法を推奨す
る。
より詳細なBM議事録および新役員については
http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/iaga-div-5/Div_V.html をご覧ください。
なお、参考までに、議事録にはありませんが、次回ハンガリーのショプロンで開催されるIAGA総会は、
2009年8月23日から8月29日までに決まったそうです。ちなみに、2011年のIUGGはオーストラリアで開催
されることが決まりました。
総会前日のIAGA代表者会議に出席するため、6月29日に関空を出発し、その日の夜遅くペルージャに
到着する予定でしたが、関空出発が3時間以上遅れたため、ミラノでペルージャ行きには乗り継げず、
仕方なく航空会社が用意したホテルに1泊、翌日のペルージャ行きの便は全て満席であったため、結局
ローマまで飛び、そこから航空会社が用意した車でペルージャのホテルに到着したのは、30日の午後
でした。ミラノでは、航空会社が車を用意する、ローマに行けばわかるということで、とにかくローマ
まで行きチケット売り場で事情を説明して車を手配してもらえました。車を手配してもらうまでずいぶん
時間がかかりましたが、その手配の仕方がいかにもイタリア的といいますか、どのようにして探してきた
のか、たまたまその日の夕刻、ペルージャの近くの町で空手の試合があるという、イタリア人の空手チャン
ピオンが運転するベンツの助手席でペルージャ郊外のホテルまで直接送ってもらえるという幸運(??)
にめぐまれ、ローマからペルージャまで美しい田園風景の中を、瞬間最大時速150km/hのスリルに富んだ
ドライブを楽しむことができました。
<ペルージャの町の高台から見た風景>
(家森俊彦)
7.2007年前半のkp指数図表
2007年前半のKp指数図表 (Bartels musical diagram) を下に示します。オリジナルは
ftp://ftp.gfz-potsdam.de/pub/home/obs/kp-ap/music/ の下にあります。
Kp指数の数値 (1932年以降) 、及び1990年以降のKp指数図表は
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html からご利用になれます。 数値データの取得は
一度に10年分まで可能で、最新のKp指数は原則として翌月半ばには利用可能となります。
<2007年前半のKp指数>