News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース
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地磁気世界資料解析センター News No.102 2007年3月30日
1.新着地磁気データ
前回ニュース(2007年1月31日発行, No.101)以降入手、または、当センターで入力したデータのうち、
主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略記号等については、観測所カタログ
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
また、先週の新着オンライン利用可データは、
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で御覧になれ、2ヶ月前までさかのぼることも
できます。
Newly Arrived Data
(1)Annual Reports and etc.
NGK (Dec., 2006 - Feb., 2007), SOD, QUJ, HAN, NUR (Nov., 2006 - Jan., 2007),
MMK, LOZ, TUM (Apr. - Dec., 2005),
(2)Normal Run
Kiruna (2001 - 2002)
(3)Kp index: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
Jan. - Feb., 2007
2.AE指数とASY/SYM指数
2006年12月分までの1分値ASY/SYM指数を算出し、ホームページに載せました
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
また2007年3月までのQuick Look AE指数も上記アドレスからダウンロード可能です。
3.Provisional Geomagnetic Data Plots について
世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットしたProvisional Geomagnetic Data Plotの2007年
1月までのポストスクリプトファイルが利用できるようになりました。図の形式は2日分が1画面です。
(ftp://swdcftp.kugi.kyoto-u.ac.jp/data/pplot)。
4.PDF版観測所データ全カタログの更新
当センターホームページからサービスしていますPDF版観測所データ全カタログが2007年3月分に改訂されました。
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/pdf/Catalogue/Catalogue.pdf
なお、印刷出版予定はありませんので、必要な方は上記アドレスからダウンロードのうえ印刷願います。
5.Dst指数及び1時間値AE指数プロットとデータ出力のページについて
上記のページを作成し、プロットとデータダウンロードサービスを開始しました。
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstae/index.html (英語版)
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstae/index-j.html (日本語版)
利用できる期間は1957年以降(ただしAU/AL/AOは1966年以降)最近までのうちの1ヶ月から月単位で最大10年間で、
対象とする指数はDst、1時間値AE指数それぞれの確定値、暫定値の他、ごく最近のものを除くほぼ全ての速報値です。
出力はプロットではDstとAE1時間値を併せた1年1フレームで、PSまたはGIF形式が選択できます。 データ
ダウンロードでは、所定のフォーマット
(Dst: http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstae/dstformat-j.html,
AE: http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstae/aehformat-j.html) での出力となります。
なお、1分値AE指数及びASY指数のプロット及びデータ出力には、ASY/SYM指数とAE指数のプロットとデータ
出力のページ (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html) をご利用ください。
<図1. http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstae/index-j.htmlの初期画面>
<図2. プロット出力例>
6.リアルタイム(クイックルック)Dst指数・AE指数 WWWページリニューアルのお知らせ
リアルタイムDst指数・AE指数を算出していた計算機の老朽化のため、該当ページを新しいサーバーに
移動させました。新しいサーバーのURLアドレスは以下の通りです。
リアルタイムDst指数:http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/dst_realtime
リアルタイムAE指数:http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/ae_realtime
かねてからご要望の多かったリアルタイムAE指数のデジタルデータにつきましては、
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy
から任意の時間幅についてプロットおよびダウンロードできるようになっています。
これらの指数を計算するに当たっては、観測所からリアルタイムで送られてきたデータをほとんどそのままの
形で利用しているため、スパイク状のノイズなどが含まれることがあります。また、規定数の観測所のデータが
すべて揃わない時点でも、指数の算出が行われているため、欠けている観測所付近の磁場変動が指数に反映
されていないことがあります。新たなデータが送付されてきたときには、データの追加および修正の後、指数の
再計算が行われますので、指数の値が変わることがあります。これらの注意点をご理解の上、ご利用くださる
ようにお願いいたします。論文等にご使用の場合は、リアルタイム(クイックルック)バージョンであることを
明記してください。なお、混乱を避けるため、ダウンロードした指数の再配布はしないでください。
リアルタイムDst指数の算出には、図1に示した5観測所(Kakioka, Honolulu, San Juan, Hermanus, Albag)
からのデータを利用しています。図2は、リアルタイムAE指数の算出に利用している11観測所の分布を
示しています。11観測所はそれぞれ、Abisko, Cape Chelyuskin, Tixie, Pebek, Barrow, College,Yellowknife,
Fort Churchill, Poste-de-la-Baleine, Narsarsuaq, Leirvogurです。(AE指数の計算に利用されてきたCape Wellen
観測所は閉鎖されたため、Pebek観測所が使われています。また、Dixon観測所は閉鎖状態が続いています。)
データのリアルタイム転送に協力いただいている各観測所および研究機関に深く感謝いたします。
7.グルジア・トビリシ磁力計設置報告
3月20日から24日まで、Georgia(グルジア)のTbilisi(トビリシ)の北、コーカサス山脈の入り口にある
Dushetiにて磁力計の設置作業を行った。日本からは家森と朝日大学の佐納康治講師が参加した。
Tbilisi観測所は1844年5月から観測を開始した非常に古い歴史を持つ。驚いたことに、かのスターリン
(グルジア生まれ)も1900年頃、約3年間Tbilisi観測所で磁場観測の仕事をしていたそうで、写真1は、
スターリンの署名が入ったマグネトグラムである(署名はスターリンのグルジア名でアルファベットに直すと
Jugashvili Josephとロシア文字で書かれている)。
<写真1.スターリンの署名(右下)が入った磁場観測記録。1900年12月17-18日のデータ>
毎時値の連続測定は1862年5月に開始、現在までに既に145年経過している。ただし、諸般の事情により、
観測は2002年以降停止している。1957-58年のIGY(国際地球観測年)以降のデータは当センターで既に
データベース化しているが、それ以前のデータがどのような状態になっているかは、今回の訪問ではわからず、
今後の共同研究のテーマの一つとすることで合意した。
現在の観測所はTbilisiから北に約60km離れたDushetiにあり、1937年にここに移設された。当センターの
カタログにおける観測所名としてはTbilisiのままで、別名として、Dushetiを使用している。観測所の
絶対観測室(写真2背景)は、持参したハンディタイプのGPS受信機によると、北緯42度05分19.3秒、
東経44度42分4.9秒、高度906mにある。
今回の磁力計設置は、日本からヨーロッパまでの中緯度、特にシルクロード沿いの、主としてIGY(国際
地球観測年, 1957-1958)頃から存在する古い観測所に高精度のディジタル磁力計を設置し、(準)実時間
でデータを取得する計画の一環である。
設置は、相手方の.Nodia地球物理研究所と合意文書を交わして実施した。この研究所はグルジアの科学
アカデミーに所属していたが、昨年から、日本でいうと文部科学省に相当する省の管轄に入り、宇宙科学部門も
この研究所の1部門として含まれることになった。この研究所は以前は500人の職員が働いていたそうであるが、
旧ソビエトの解体後は政治・経済情勢の混乱のため、現在では約10分の1に減少していて、12階建てのビルは
廃墟のような閑散としたものになっている。失業率は現実には50%近くだそうで、市内のあちらこちらに職を待つ
労働者がたむろしていた。しかし、新しい政治・経済体制の下、懸命に立て直しをはかっているようで、我々の
セミナーには所外の研究者も含め、約30名が参加し、活発な質問を受けた。
Dusheti観測所は山腹に位置し、気象観測も細々と行っている。職員はほんの数名で、今回の設置作業には、
経済的事情により観測所をやめたかつての職員の方にも手伝っていただいた。観測室内部は荒れ果て、測器を
置くピラーと観測装置のごく一部だけが残されていた。我々が持ち込んだのはフラックスゲート磁力計と
プロトン磁力計、およびデータ収録システムであるが、観測所の立て直しのため、我々の活動をはじめ、
日本との共同研究が非常に期待されているように感じた。
今回は、期間も短いこと、および、観測室の準備(修理)の都合もあり、絶対観測室の中にすべてを設置して
テスト観測を始めた。現在最大の問題は、電力事情が極端に悪いことで、設置期間中にも数度停電した。
前途多難を感じさせたが、歴史、位置とも重要なこの観測所から精度のよいデータを世界に発信したいもので
ある。今回の訪問では、Prof. Tamaz Chelidzeをはじめ、多くのかたにお世話になった。
<写真2.観測所(絶対観測室)を背景に、我々も含めて記念撮影>
(家森俊彦)
8.教員(准教授)公募のお知らせ
京都大学大学院理学研究科附属地磁気世界資料解析センターは、国際学術連合(ICSU)傘下の世界資料センター
(World Data Center) 組織の一員として、地磁気世界資料センター・京都(WDC for Geomagnetism, Kyoto) を運営し、
各種地磁気指数の算出をはじめとするデータサービスは、世界中の研究者からきわめて多く利用されています。
また、地磁気を主題とする、あるいは、それに密接に関連する自然電磁環境の研究を行うとともに、地球惑星科学
専攻の協力講座(自然電磁環境情報学講座)として、学部および大学院学生の教育を行っています。
この公募では、地磁気観測の実施を含め、データの収集とITを駆使した処理・サービスの現代化を、国内外の
関連機関と連携して積極的に推進し、かつ、新たな研究分野、学際的分野を開拓する意欲のある方を求めます。
記
1.職名・公募人員: 准教授 1名
2.所 属: 理学研究科・附属地磁気世界資料解析センター
3.研究分野: 自然電磁環境情報学
4.研究・職務内容:
(1)地磁気世界資料センター・京都(WDC for Geomagnetism, Kyoto) の運営とデータサービス
(2) 地磁気を主題とする、あるいは、それに密接に関連する自然電磁場の研究
(3)学部および大学院学生の教育
5.応募資格: 博士の学位を有すること。
6.提出書類:
(1)応募書(カバーレターに相当するもので、A4サイズの用紙に下記項目を記載。形式は自由。)
・氏名
・学位
・所属
・職
・所属先住所、電話番号
・現住所、電話番号、電子メールアドレス
(2)履歴書
(3)研究業績リスト
(4)主要論文5編以下の別刷りを各1部
(5)これまでの研究活動の概要(A4版用紙2枚以内)
(6)今後の研究活動、地磁気世界資料センター活動推進への抱負 (A4版用紙2枚以内)
(7)応募者について意見を聞ける方2名程度の氏名と連絡先
7.応募締切: 平成19年5月1日(火曜日)必着
8.選考・着任時期: 応募締切後、選考過程において面接を行うことがある。
着任は決定後、可能な限り早い時期。
9.応募書類提出先:
〒606−8502 京都市左京区北白川追分町
京都大学大学院理学研究科
附属地磁気世界資料解析センター
家森俊彦 宛
なお、郵送の場合は書留とする。