News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース


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 地磁気世界資料解析センター News No.97 2006年5月31日
 
 
 
1.新着地磁気データ
 
    前回ニュース(2006年3月29日発行, No.96)以降入手、または、当センターで入力したデータの
うち、主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略記号等については、観測所カタ
ログ(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
また、先週の新着オンライン利用可データは、
  (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で御覧になれ、2ヶ月前までさかのぼることもできます。
 
      Newly Arrived Data
 
        (1)Annual Reports and etc.
 
       SOD, OUJ, NUR, HAN (Feb. - Mar.,2006), NGK (Jan. - Apr., 2006),
       SOD (2005)
 
    (2)Kp index: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
 
       Mar. - Apr., 2006
 
 
 
2.Dst指数、AE指数とASY/SYM指数
 
     2006年4月分までの1分値ASY/SYM指数を算出し、既に昨年郵送した2003年のfinal Dst 指数と
共にホームページに載せました (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
 
 
 
3.Provisional Geomagnetic Data Plots について
 
  世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットしたProvisional Geomagnetic Data Plotの2006年
2月までのポストスクリプトファイルが利用できるようになりました。図の形式は2日分が1画面です。
(ftp://swdcftp.kugi.kyoto-u.ac.jp/data/pplot)。
 
 
 
4.データサービスログの必要性 − Valentia観測所の場合 −
 
   当センターでは、ダウンロード時、利用者にメイルアドレスの入力をしていただき、それを基にして統計を取り、
サービスの実績として利用しています。その他、個々の観測所からどの程度利用されたか知りたいというリクエストが
時々あり、その観測所のデータにどれだけのアクセスがあったかという統計を提供します。メイルアドレスの入力等は、
利用者にとっては面倒なことではありますが、これらは、データセンターや観測所の維持にとって非常に重要な役割
を果たしています。その一つの例として、アイルランドにあるValentia観測所の場合を紹介させていただきます。
 
  Valentia観測所は1888年から絶対観測を開始したもっとも古い地磁気観測所の一つで、変化計による測定も国際
地球観測年 (1957-1958) より前の1953年から開始した。今年の1月、突然IAGA (国際地球電磁気学超高層物理学
協会)Division-V に設置したWorking Group OBSのDr. Lintheから、Valentia観測所の隣を宅地として利用する計画
が州政府からあり、観測ができなくなるので、至急計画反対の手助けをしてほしいとのメッセージが、観測所の主任科学
者であるEoin Moran氏より届いた旨の連絡があった。当地磁気センターでは、早速2000年以降、各年毎に何回データ
が利用されたかの統計をとると共に、Valentia観測所のデータも使用している "Provisional Geomagnetic Data
 Plots" (No.4-No.32) の出版リストを付けて、下記手紙をMoran氏に送付した。
 
 
To Eoin Moran (Chief Scientist of Valentia Magnetic Observatory),
 
We, at the WDC-Kyoto are concerned about the news of the possible closure of Valentia Magnetic Observatory.
Valentia is in a unique position near the coast of the Atlantic ocean. Thus, it is the final frontier of the Inter-
national Geomagnetic Reference Field (IGRF). This reference field is only made useful when the integrity of the
data is good. This only comes from continuously long running observations with absolute magnetic measurements
with no external magnetic influence.  Valentia is one of the oldest absolute sites in the world (since 1888) and one
of the oldest variometer sites (since 1953). To endanger this site would be a severe loss to the scientific and indus-
trial communities (one not able to be reproduced again).  We hope the observatory will stay in existence with the
foresight of the community of the Kerry County Council.
 
Below are documents published by the WDC-Kyoto that use the Valentia Magnetic Observatory data and below this
are some selected papers that directly use the Valentia Magnetic Observatory data in medium and long term studies.
There are many more. Please contact us if you require any further assistance in determining the uniqueness and the
necessary requirement of data integrity of the Valentia Magnetic Observatory.
 
 
Sincerely,
 
Toshihiko Iyemori (Director) and staff
World Data Center for Geomagnetism, Kyoto
 
 
この他、各国関係者の手紙なども有効に働いた結果、3月29日に、計画が中止になったとの、よい知らせがMoran
氏から届いた。多少自慢たらしくて恐縮ですが、データセンターとしてはこの上ない冥利であり、その一部を掲載させて
いただきます。
 
"Met Eireann's submission to Kerry Co. Council in respect of proposed planning pressures was successful, and to
thank you for your support with this matter. Your letter of the 31st Jan is greatly appreciated and provided a crucial
illustration of the significance of the work conducted at Valentia Observatory.
 
For your information, the Council recently rejected proposals to rezone the land in question to "residential" in
favour of Met Eireann's proposal to zone the land to "open space/amenity". This is the best possible result that
could have been expected at this stage and will help to preserve all scientific activities at Valentia for the fore-
seeable future.
 
To ensure that the submission was given full consideration it was essential that the importance of the work
conducted at Valentia was conveyed as clearly and concisely as possible. I must state that your letter greatly
helped with this task and was a key support to the submission".
 
なお、データセンターから出した手紙の英文は、今年1月末まで、京都大学21世紀COE研究員として、当センターに
滞在研究していたDr. Heather McCreadie に手伝っていただいた。
 
                                           (家森俊彦)
 
 
 
5.世界の地磁気観測所の表示
 
  地球を手に取るように自由に回したり、仮想世界旅行を楽しめるGoogle Earthは注目されつつありま
当センターでも、Google Earthを使って世界各地の地磁気観測所の分布とデータ収集を直感的に分かりやすく
利用出来る、表示データファイルの提供を始めました。
 
 
 
地磁気の観測とデータの収集ページ
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/obsdata-j.html)より、表示データファイル(stations.kmz)をダウンロード
でき、地磁気観測所の表示の他に、地理および地磁気の緯度経度線や、地磁気赤道をご覧いただけます。
 
 
  
 
図. station.kmz上での当センターの表示。拡大していくと、場所によっては人影まではっきりと表示される。
 
 
 
Google Earth(英語版のみ) は(http://earth.google.com/)より、無料でダウンロード出来ます。アプリケーション
のインストールや、kmz形式等ファイルの保存先は、日本語等2バイト文字を含まないディレクトリーを選択
して下さい。詳細はGoogle Earthのページをご参照下さい。
 
 
 
6. 2006年1月-2006年4月のkp指数図表
 
2006年1月-2006年4月のKp指数図表 (Bartels musical diagram) を下に示します。オリジナルは
ftp://ftp.gfz-potsdam.de/pub/home/obs/kp-ap/music/ の下にあります。
Kp指数の数値 (1932年以降) 、及び1990年以降のKp指数図表は
 (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html) からご利用になれます。 数値データの取得は一度に10年分
まで可能で、最新のKp指数は原則として翌月半ばには利用可能となります。
 
 

 
<2006年1-4月のKp指数>
 
 
 
7.センターニュースNo.89 (2005年1月号)一部訂正
 
    センターニュースNo.89 (2005年1月号)に掲載された辻本元博氏の記事で使われた方位角等の用語に
一部、一般的に使用されている用語と異なる使い方をしている部分がありますので、下記のように訂正いたし
ます。
 
[正誤表]
 
伊能図掲載朝鮮の山々と対馬での測量地点の同定地図のキャプション 
点線 『山島方位記』記載方位角による方位線 →『山島方位記』記載磁針方位の再現 (西偏約2°30′)
実線 西偏約2°30′方位線                →  真方位
 
図名
種子島からの山島方位記記載方位角復元地図 → 種子島からの『山島方位記』記載の磁針方位復元地図
 
上図のキャプション
点線 『山島方位記』記載方位角による方位線 →『山島方位記』記載磁針方位の再現 (西偏約1°)
実線 西偏1°方位線                       → 真方位