News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース


Selection

一覧

 
 
 
地磁気世界資料解析センター News No.86 2004年7月30日
 
 
1.新着地磁気データ
 
      前回ニュース(2004年5月31日発行, No.85)以降入手、または、当センターで入力したデータの
  うち、主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は
  (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略記号等については、観測所カ
  タログ(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
  また、先週の新着オンライン利用可データは、
  (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で御覧になれ、2ヶ月前までさかのぼること
 もできます。
 
 
      Newly Arrived Data
 
        (1)Annual Reports and etc.
              LRV (2003)、HTY (2002)、NGK (Apr. - Jun., 2004)
              ABG、HYB、KOD、NGP、PNB、SAB、TRD、UJJ、VSK (1998)
              SQD、OUJ、HAN、NUR (May、2004) 、WNG (1997 - 1999)
              NGK (1999 - 2001)
 
 
        (2)Kp index: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
              May - Jun.、2004
 
 
 2.Dst指数、AE指数とASY/SYM指数
 
    Quick Look Dst指数(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstdir/dst1/quick.html) および Quick Look AE
指数 (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aedir/ae/quick.html) は1日以内の遅れで当センターのホームページ
から利用できます。また、2004年5〜6月分の1分値ASY/SYM指数を算出しホームページに載せま
した (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
 
3.Provisional Geomagnetic Data Plots について
 
  世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットしたProvisional Geomagnetic Data Plotの2004年
5月までのポストスクリプトファイルが利用できるようになりました。図の形式は2日分が1画面です。
(ftp://swdcftp.kugi.kyoto-u.ac.jp/data/pplot)
 
 
4.Asia Oceania Geosciences Society (AOGS)に参加して
 
    シンガポールで7月5日から9日の会期で行われた、AOGSのエキシビションブースに、京都大学21
世紀COEプロジェクトKAGI21(Kyoto University Active Geosphere Investigations)ブースキャプテン(?)
なる名前で呼ばれながら、デザイナーとして参加しました。第1回目である今回の会議は日本人が最も多く
参加していたためでしょうか、そこがシンガポールであることを忘れる程でした。
 
 
  
 
 
 展示内容は、ポスターや映像、それに前代未聞のKAGI21メンバー紹介などです。アジア・オセアニ
アの地図を背景に、一辺およそ14cmの透明キューブ内にメンバーそれぞれの顔写真や研究紹介を仕込み、
縦横6個ずつ並べ吊しました。夏祭りの行灯を想像して下さい。人の動きや空調の風でユラユラ回転す
る 「妙な箱」から、来場者にメンバーの誰か知っている顔を発見してもらい、いろんな面の複合的な効果
=意味を見いだしてもらうという狙いです。KAGI21拠点形成の特徴である、地球科学諸分野の枠組み
を超えた「同業異分野の研究者が混在する活地球圏を覗くルツボ」を表現してみました。いかがでしょう
か?
 
 あまりにも珍妙な計画だったので、実はCOE教授会議に恐る恐る提案したのです...。結果は、GOサイ
ンが出ただけではなく、実用新案登録をA教授やY教授等に勧められる"快挙"。今年の秋には本邦初公開
の予定です。
 
 「シンガポールには地震も台風も無いですから」というのは空港からホテルに向かうタクシー運転手の
答え。何がというと、建物です。著名建築家の設計によるこの国の超高層ビル群について知識はあったの
ですが、やはり高い。そして柱が細い。
 
 
  
 
 ラッフルズプレイスの高層ビル群
右端のビルに見憶えは?
写真では見えませんが二本のタワーが並んで建ち、まさに都庁の拡大版です。
都庁竣工の翌年に竣工。高さ280m。設計:丹下健三
 
 
 シンガポールは今、新たな地下鉄、大学、集合住宅、博物館、宿泊、商業施設、観光スポット等々、
2005年の完成を目指し、2交代3交代制で再開発が急ピッチ行われている真っ最中でした。見渡すと視界
の中に仮囲いやクレーンが常に見え、昼夜曜日関係無しに溶接の火花が散っている。絶対的な臭いがしない
でもないですが、狭い土地を有効利用せざるを得ないわけで、だからこそ出来るスピードと力なのでしょう。
現在工事中で入れない施設が多いのには少々閉口しましたが。ごく近い将来、インフラを完璧に整えた産業
・研究拠点が出来、さらに便利なシンガポールになるようです。私のお気に入りは、高層のビルを背景に、
古い街並みが佇んでいるコントラストです。ナンプラーやドリアンの臭いがどこからともなく漂い、福建語
やマレー語と英語がごちゃ混ぜで会話が飛び交い、強烈な日差しと、ほぼ毎日やってくるスコール。
スケール感を狂わせる巨大な植物や魚、そしてワニ...。とても面白い体験でした。
 
 
  
 
 
なお、シンガポールの7月はバーゲンシーズンなのです。巨大ショッピングモールが閉まる夜の9時まで、
目の色を変えて買い物をしている私たちの姿は、容易に想像していただけるかと思います。
 一度建物に入ってしまうと、そこはSALEの蟻地獄!抜け出すのは一苦労。おかげで3日目からは歩き
過ぎからくる、足の筋肉痛だったのです。
 
 
(地磁気世界資料解析センター 技術補佐員・小田木洋子)
 
 
 
5.2004年前半のkp指数図表
 
2004年の6月までのKp指数図表 (Bartels musical diagram) を下に示します。オリジナルは
ftp://ftp.gfz-potsdam.de/pub/home/obs/kp-ap/music/musi2004.ps
です。
Kp指数の数値 (1932年以降) 、及び1990年以降のKp指数図表は http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html
からご利用になれます。 数値データの取得は一度に10年分まで可能で、最新のKp指数は原則として
翌月半ばには利用可能となります。
 
 
  
 
 
 
6.IGRFモデルに基づく磁気図の差し替え
 
  IGRF2000モデル(http://swdcdb.www.kugi.kyoto-u.ac.jp/igrf/index-j.html)の改訂9版が出たのに伴い、
磁気図を差し替えました。全磁力で0.1%程度異なることがあります。係数や指定された点におけるモ
デル磁場計算については、既に2003年9月に変更されています。これは、従前のDGRF(definitive
version)に対応するものです。なお、2000年モデルからは、球関数展開係数の最高次数がそれまでの
10から13に増加しています。これは、Oerstedや Champ等、磁場精密観測衛星が相次いで打ち上げ
られ、磁場観測の精度と観測点の密度が大幅に改善されたことによります。
 
 
 
 
 
                      <新版による北半球の全磁力>