地磁気世界資料解析センター News No.79 2003年5月23日 1.新着地磁気データ 前回ニュース(2003年3月28日発行, No.78)以降入手、または、当センターで入力したデータの うち、主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.htmlを、観測所名の省略記号等については、観測所カタ ログ(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。 また、先週の新着オンライン利用可データは、 http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.htmlで御覧になれます。 Newly Arrived Data (1)Annual Reports and etc. NGK (Jan. - Feb., 2003) HAN, QUJ, NUR, SOD (Feb., 2003), HTY (2001) (2)Digital Data Geomagnetic Hourly Values: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/hyplt/index-j.html) KAK, MMB, KNY (Mar. - Apr., 2003), LUA (1970) Geomagnetic 1 Minute Values: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/mdplt/index-j.html) KAK, MMB, KNY (Mar. - Apr., 2003) VAL (Apr., 2003), HTY (Mar. - Apr., 2003) Geomagnetic 1 Second Values: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/shplt/index-j.html) WMQ (Feb., 2003), KAK, MMB, KNY (Mar., - Apr., 2003) HTY (Mar. - Apr., 2003) (3)Kp index: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html) Mar. - Apr., 2003 (4)Magnetogram digital image files: (http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/index-j.html) AIA (1957 - 1968, 1974 - 1990), GUA (1957 - 1978), HON (1957 - 1978), PPT (1958, 1959, 1966, 1968 - 1972), TFS (1957 - 1978), WNG (1964 - 1969, 1971 - 1980) *CD-ROM を関係諸機関へ配布しました 2.1時間値Dst指数の算出と配布・1分値ASY/SYM指数の算出 2003年2月〜2003年3月のDst指数 (Provisional) を算出し、関係機関に配布しました。ご希望 の方は、郵便またはファクシミリにて当センターまでお申し込み下さい。なお、Quick Look Dst指数 (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstdir/dst1/quick.html) および Quick Look AE指数 (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aedir/ae/quick.html) は1日以内の遅れで当センターのホームページから 利用できます。また、2003年2〜3月分の1分値ASY/SYM指数を算出しホームページに載せました。 3.過去400年間の地磁気全磁力の変化とその擬アニメーション 『ザ・コア』("The Core", パラマウント映画)が、我が国でも6月から上映されます。この映画は、 地球中心核(コア)でのダイナモが停止し、地磁気が突然消失して天変地異が起きるという荒唐無稽な 内容のようですが、過去400年以上にわたり、地磁気ダイポールモーメントは減少し続けているのは 事実であり、TV局などからも問い合わせがありました。そこで、この機会に過去400年間の地磁気全 磁力分布図を作成するとともに、当センターホームページから、擬アニメーションとして変化の様子を見る ことができるようにしました。(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/igrf/anime/index-j.htmlに置きました) 過去の地球主磁場モデルについては、Barraclough (Geophys. J. R. astr. soc., Vol.36, 497-513, 1974) 等を ご参照ください。 全磁力分布図 1600年1700年
1800年
1900年
2000年
2100年予測
1600年以降のダイポールモーメントの変化
地球磁場の強さの変動 地球磁場はこの数100年あまりの間減少を続けています。 特に最近の50年間は、減少の割合が急速になっています。 この速さで減少を続けると、あと1000年足らずで消失 する計算になりますが、将来本当にその通りになるのか、 または一時的な現象で再び磁場強度が回復していくのか、 結論を出すことは容易ではありません。 4.EGS-AGU-EUGのJoint Assembly 4月7日から11日までの5日間、フランスのニースで開かれたEGS-AGU-EUGのJoint Assemblyに参 加して参りました。今回の学会は、毎年ニースで開催されていたEGSの会合に、AGUとEUGの会合が くっついたもので、かなりたくさんの人が参加しており、期間中は、街を歩いていても,頻繁にポスターの 筒を手にしている人が目に付くといったような感じでした。おかげで宿がなかなか確保できず、市街地から 遠く離れた空港そばの4つ星ホテルに泊まる羽目になってしまったのですが・・・。 なお来年からは、EGSとEUGとは一緒になり、EGUとしてニースでの学会を開催していくようです。 学会の会場は、アクロポリス国際会議場というところで、旧市街の比較的近くにあります。 <アクロポリス国際会議場>
国鉄ニース駅からは歩いて30分くらいで、バスターミナルがわりと近くにあり、空港からそこまでバスが 出ているので、空港からもそれほど不便ではありません。と言っても、空港からそれなりに時間はかかる ので、空港の側のホテルに宿泊した我々は、結局朝の早い時間の発表を全く聴くことができませんでした。 もっとも、アメリカが戦争をしている最中だったこともあってか、会場入り口での持ち物検査が厳しく なっていて、家森先生によれば,朝早く来ると持ち物検査のために長時間並ばなくてはならず、最初の方 の講演が聴けないことに変わりはないという話でしたが。 今回の学会では、Cluster missionの成果が多く報告されていましたが、個人的には,ring currentについ て幾つか興味深い話を聞くことができたのが収穫でしょうか。僕自身はと言うと、DE-1衛星による沿磁力 線電流分布の解析結果を発表したのですが、日本語でも説明するのが難しいくらい変な解析をやっているの で、解析方法を説明するのに苦労しました。やはり、国際学会で発表するのためには、変な解析手法を使う ものではないなと感じました。 ニースの街は、海岸沿いにヤシの木のような木がたくさん植えられていたりして、南国情緒を醸し出し ていました。雨の日が多かったのが残念ですが、晴れた日はなかなか海がきれいです。
<海岸通りの風景>
地理的にイタリアに近いせいか、巷ではたまにイタリア語が耳に入ってきます。食べ物もイタリアに近い ようで、ピザ屋が街のあちこちにあり、パスタを食べることのできるレストランもたくさんありました。 ただ、ほとんどの店でパスタが柔らかめなのが玉にきずと言えば玉にきず。それよりも、とある菓子屋で 買ったチーズケーキが美味でした。 (京都大学 大学院理学研究科 博士課程3年 中野 慎也)