News and Announcements [in Japanese]

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★地磁気センターニュース No.72/2002年3月29日★
 

1.新着地磁気データ
      前回ニュース(2002年1月25日発行, No.71)以降入手、または、当センターで入力したデータのうち、
主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細はhttp://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.htmlを、
観測所名の省略記号等については、観測所カタログ(http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
      Newly Arrived Data
        (1)Analogue Data
            Normal Run Magnetogram
                Kiruna(1999-2000)
      Annual Reports and etc.
                LOZ(Oct.2000-Jun.2001), MMK(Oct.2000-Mar.2001), TUM(Mar.-Jun.2000)
                NGK(Jan.-Feb.2002), Finnish Obs.(NUR,OUJ, HAN,SOD, Jan.-Feb.2002)
                             
        (2)Digital Data
      Geomagnetic Hourly Values: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/hyplt/index-j.html)
                LMM(2000), NVS(2001), *VNA(2001), KAK,MMB,KNY(Jan.- Feb.2002)
            Geomagnetic 1 Minute Values: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/mdplt/index-j.html)
              KAK,MMB,KNY(Jan., Feb.2002)  Val(Jan.-Feb., 2002)
            Geomagnetic 1 Second Values: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/shplt/index-j.html)
                KAK,MMB,KNY(Jan., Feb.2002)

        (3)Kp index: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
                Jan.−Feb., 2002
        *新観測所
            VNA: Neu Mayer Station, GGlat. 70.65S, GGlong.8.75W, Gmlat. 64.21S

2.1時間値Dst指数の算出と配布・1分値ASY/SYM指数の算出  
      2001年12 月〜2002年1 月のDst指数(Provisional)を算出し、関係機関に配布しました。
ご希望の方は、郵便またはファクシミリにて、当センターまでお申し込み下さい。なお、
Quick Look Dst指数 (http://swdcdb.kugi. kyoto-u.ac.jp/dstdir/dst1/quick.html)および 
Quick Look AE指数 (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/aedir/ae/quick.html) は2〜3日の遅れで
当センターのホームページから利用できます。また、2001年 11月〜12月分の1分値ASY/SYM指数を算出し
ホームページに載せました。

3.オンラインカタログ("http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html")の更新
   ホームページ上の全観測所データカタログマスターファイルが3月12日現在の情報に更新され
ました。ホームページ上のデータカタログのページでは、指定された緯度・経度の範囲内の観測所に
ついての、印刷されたカタログに準じた観測所情報のリスト出力、オンライン利用可データの月別
リストなどが利用できます。 オンライン利用可データのカタログは原則として毎週更新されています
が、先週の新着データ一覧もご覧になれ、4週間前まで遡ることができます。

4.Provisional Geomagnetic Data Plots No.24(Jul.-Dec.,2001) の印刷と配布
   世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットした 'Provisional Geomagnetic Data Plot 
No.24'を印刷し、配布致しました。期間は2001年7月から12月までです。新たに配布御希望の方は、
センターまでお申し込み下さい。また、ポストスクリプトファイルによる画像データも、当センター
ホームページに追加しました。図の形式は2日分が1画面です。


5.Mid-latitude Geomagnetic Indices ASY/SYM No.12(2001)の印刷と配布
   2001年1月〜12月の1分値ASY/SYM 指数のプロット及び表を印刷し配布しました。新たに
 配布御希望の方は、センターまでお申し込み下さい。

6.Tixie とNorilsk からのrealtime データ通信(PURAES 計画の一部達成について)
      当センターと独立法人通信総合研究所(CRL)を日本側に、Institute of Dynamics of Geosphere
(IDG,モスクワ)とArctic and Antarctic Research Institute(AARI,セントペテルブルグ)をロシア側の共同
研究機間としてProject for Upgrading AE Stations (PURAES)という日露科学技術共同研究を進めており
ます。これはロシアのAE観測所に近代的なディジタルの地磁気観測装置、近代的な絶対測定装置と
送信機を日本側から提供し、0.1秒値の観測と気象衛星「ひまわり」を用いてINTERMAGNET-Jの規格
を満足する1分値realtimeデータ送信を行うものです。AE観測所は1995年にはロシア政府と地方政府
の許可が緩み、かなり我々外人も入れたのですが、現在全て閉鎖都市に再度指定されており、IDGが
物資の輸入と各種許可を担当し、AARIが実際の設置・運用を行うことで進めています。しかしこの
IDGの活動に関し、米国Johns Hopkins University, Applied Physics Laboratory (JHU/APL)とUniversity of 
Alaska, Fairbanks (UAF)の行っているSpace Weather Magnetometer Experiment (SWME)に大きな助言と
経済援助をうけています。
その前ぶれとして当センターがAARIに提供した機器(絶対測定を含む)とPURAESで送信免許を
受けたPebek(70.09N, 170.93E)からデータを去年4月からrealtime送信をはじめておりました、ただし
これはプロトン磁力計が動作せず不完全なものでした。今回は今年2月にTixie (71.58N,129E)のAARI
観測所にAARIからSasha Frank-Kamenetzky氏とVolodya Gilger氏が行き、完全な装置一式を設置し
realtime送信をはじめました.。CRLの国武氏が気象衛星センターとの調整をしていただき、同じくCRL 
菊池氏・石橋氏の努力でrealtimeデータが当センターに提供されています。Tixieは以前から数km
離れたIKFIAの観測所のベロフ式磁力計のデータをe-mailで数日遅れで送ってもらっているデータを
使用していましたが、データフォーマットが頻繁に変わり、またデータの質が信頼出来ないのに修理も
出来ない状況が続きQL-AEに使用できなくなっていました。この新しいデータは3月からQL-AEに
使用されています。また、3月10日から新しいAE観測所の候補としてNorilsk (69.20N,88.00E)に
AARIの同じ人達が一式を設置しましたが、絶対測定の小屋が良くなく夏に再度設置することにして、
変化データのみを記録、realtime送信することとなりました。この観測所からの電波は一日に十倍程度
の強弱があり「ひまわり」の規格に合わないことが問題になっておりますが、データ送信は続けており
当センターのWWWに表示しております。QL-AEなどに加えるかどうかはもう暫くデータを見て決め
たいと思っております。今後Pebekの完成と非常に設置に行くのが難しいCape Chelyuskin 
(77.72N,104.28E)への設置が残っており、また、「ひまわり」で中継出来ない,残りのAE観測所
Dixon (73.55N,80.57E)、新観測所Amderma (69.46N,61.41E)のデータをどのように送信するかという
問題が残っています。
なお、realtimeデータプロットもQL−AEプロットもhttp://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jpにて公開して
おりますので、ご利用下さい。

7.地磁気オンラインデータについて (地磁気センターホームページより)
    以下に地磁気センターホームにある地磁気オンラインデータについての解説を掲載します。リンク先
につきましてはオリジナルページ http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/expdata-j.htmlをご参照ください。
当センターがオンラインで提供しているデータは、地磁気指数、観測所地磁気データ、磁場モデル、
その他に分類できます。

 a.地磁気指数について
 地磁気指数は、地磁気の擾乱の程度を表現するものです。当ホームページから利用できる地磁気指数
 には以下のものがあります。

 1.AE指数
 主にオーロラ頻出現域を流れる電流に起因する地磁気擾乱を表現する指数
 2.Dst指数
 中低緯度域での地磁気軸の向きに平行な向きの擾乱場を表現する指数
 3.ASY指数
 同じく中低緯度でも、経度によって異なる擾乱場を表す表現する指数
 ただしSYM-H成分は、ほぼ1分値のDstに相当する。
 以上の指数は当センターで算出され、全世界で使われています。
 このほかに、現在ドイツのGeoForschungsZentrum (GFZ) Potsdamで算出されている
 4.Kp指数とap指数
 全世界的な地磁気擾乱の目安として比較的広く使われている指数
 5.国際地磁気静穏日・擾乱日
 Kp指数にもとづいて決定された、各月の地磁気的に静かな5,10日と荒れた5日
 も利用できます。
 地磁気指数はほかにもありますが、それらについては ISGI (国際地磁気指数サービス) とそこにある 
 地磁気指数についての説明 (英語) をご利用ください。また、地磁気指数について詳しくはMayaudに
 よる解説書 (Mayaud, P.N., Deviation, Meaning, and Use of Geomagnetic Indices, Geophysical monograph 22,
  American Geophysical Union, Washington D.C., USA, 1980) などをご参照ください。

 b.観測所地磁気データについて
 地磁気観測所で得られた地磁気データは、データ解析の基礎となるものであり、地磁気指数や磁場
 モデルもそれに基づいて作成されています。地磁気はベクトル場であり、各成分の値によって表現
 されています。当ホームページから利用できる地磁気データには、データの正確さと迅速さの兼ね合い
 により、確定値(final)、暫定値(provisional)、速報 (quick look)の3種別があります。
 このうち、速報は最新の地磁気変化の状態を見るために、ネットワーク経由でできるだけ速く集め
 られたデータであり、ノイズの除去や、絶対値のチェックなどはほとんどされていません。
 当ホームページからは変化のプロットが利用できます。
 また、 当センターが滋賀県信楽町で観測している地磁気1秒値一時間分プロットも3-5分程度の
 遅れで利用できます。
 これに対して、暫定値は変更される可能性はあるが、ある程度チェックされたデータであり、確定値は
 原則として最終的なデータです。暫定値と確定値のうちオンライン利用可のものについての収集状況は、
 オンラインデータカタログに記載されています。これは毎週自動更新されますが、別に先週の新着
 データのお知らせページもあります。
 また、もうひとつの区分として、数値となったディジタルデータと、昔の印画紙等に記録された
 アナログデータという分け方があります。ディジタルデータには時間分解能により、 1秒値、 1分値
 及び1時間値などがあります。
 1秒値はきわめて速い地磁気変化を見るのに必要ですが、限られた観測所、期間のものしかありません。
 1分値はディジタルデータの中核となるもので、最近の期間についてはかなり多くの観測所のデータが
 利用できますが、昔の、観測がアナログで行われていた期間のものは利用できません。これに対して
 1時間値は、速い地磁気変化を見ることはできないものの、アナログデータから読み取ったものも多く
 含まれるため、観測所によっては19世紀まで遡ることができるものもあります。当センターのホーム
 ページから、暫定値についてはプロット出力が、確定値についてはプロット出力とデータ出力が可能
 です。1時間値のWDC形式によるデータ出力には原則として日平均値も含まれていますが、これより
 粗い時間分解能のデータ、例えば年平均値などについては、アメリカ合衆国コロラド州ボールダー
 にあるデータセンターをご利用ください。

 一方、アナログデータはマグネトグラムとも呼ばれますが、通常記録 (normal run) のほかに、数は
 限られていますが、速い地磁気変化を見るための早回し記録 (rapid run) もあります。また、特に擾乱時 
 など地磁気変化の激しいときの記録を目的とした、ストームマグネトグラムと呼ばれる低感度記録が
 ある観測所もあります。当センターでは比較的よく利用されそうな観測所・期間のデータから、順次
 フィルムなどに記録されたアナログデータを読みとって、画像データとして公開しています。
 このほか、峰山の磁力計によるPi2波動のリアルタイム検出や、1994年以降の地磁気 Provisional Plots
 も利用できます。
 なお、 地磁気観測所のホームページのなかには、データサービスを行っているものもあります。

 c.磁場モデルについて
 磁場モデルは、地磁気のおおよその値を知るのに用いられます。当センターで利用できるものとしては、
 国際標準地球磁場 (IGRF) モデルと呼ばれる国際地球電磁気超高層物理学協会 (IAGA) が5年ごとに
 決定した全世界的な主磁場モデルが主なもので、磁気図、係数 [1900-2000]、各地点でのモデル値など
 のほか、地理座標と地磁気座標の相互変換も利用できます。地磁気座標は、正確には地磁気双極子座標
 と呼ばれ、地球磁場を双極子と仮定し、その軸が地上と交わる点 (地磁気極) を基準に定めた座標であり、 
 地磁気北極からの角距離を90度から引いたものを緯度、地磁気北極から見た、地理北極を含む経線から 
 求める地点の経線の角度を経度としています。
 IGRFは全世界を対象としたモデルであるため、日本付近のみといった狭いエリアでは必ずしも十分正確
 とはいえないので、国土地理院による日本列島での地磁気のモデル値へのリンクも用意されています。

 d.その他
 その他、データカタログがあり、観測所磁場確定/暫定値について、新着データ一覧、カタログ検索 PDF
 版データカタログが利用できます。出版物リストは当センターが出しているデータブック、プロット図表
 等の一覧です。さらに、IRI90モデルとCIRA72モデルを用いた、電離層電気伝導度モデルもあります。

8.地磁気センターパンフレットの発行について
    当センターの概要・沿革・業務・研究と教育などについて記した2002年版フルカラーパンフレット 
ができました。ご希望の方はお申し出下さい。