国際標準地球磁場 (IGRF) について

Selection

国際標準地球磁場 (IGRF)

地磁気の分布は、磁気測量した値を地図上に等高線で表示する場合 (磁気図) と、数式で表現する場合 (磁場モデル) がある。 後者のうち、 全地球的スケールでの分布を表現するモデルとして最もよく使われるのが国際標準地球磁場 (IGRF--International Geomagnetic Reference Field) である。

このモデルでは、 磁場分布を表現するため1838年に数学者ガウスが考案した球関数を用いて地磁気のスカラーポテンシャルを展開する (球関数展開 -- spherical harmonic expansion)。 展開係数は、世界各地の地磁気観測点や、航空機、船舶による観測、 さらに最近では人工衛星により得られた観測データに対し、 関数値との差が最小になるよう決定される。 IGRFは、球関数の次数N=10〜13までの展開係数を数値表の形で与えていて、 5年毎に国際地球電磁気超高層物理学協会 (IAGA -- International Association of Geomagnetism and Aeronomy) の分科会に設置された作業委員会 で決定される。 現時点では、1900年以降2015年まで作成されている。

利用の際には以下の文献を参照する必要があり、
International Geomagnetic Reference Field: the 12th generation, Erwan Thebault, Christopher C Finlay, Ciaran D Beggan, Patrick Alken, Julien Aubert, Olivier Barrois, Francois Bertrand, Tatiana Bondar, Axel Boness, Laura Brocco, Elisabeth Canet, Aude Chambodut, Arnaud Chulliat, Pierdavide Coisson, Francois Civet, Aimin Du, Alexandre Fournier, Isabelle Fratter, Nicolas Gillet, Brian Hamilton, Mohamed Hamoudi, Gauthier Hulot, Thomas Jager, Monika Korte, Weijia Kuang, Xavier Lalanne, Benoit Langlais, Jean-Michel Leger, Vincent Lesur, Frank J Lowes et al. Earth, Planets and Space 2015, 67:79 (27 May 2015)
関連した一連の文献がEPS誌特集号に掲載されている。

また、 理科年表 IAGA作業委員会による解説なども参照されたい。

なお、 N=10〜13までの展開係数を用いても空間的分解能はせいぜい1000-2000km程度であり、 局所的な磁気異常は表現できていないので注意を要する。 そのため、特定の地域にのみ適用されるモデルが作成される場合があり、 例えば国土地理院 (地磁気測量)が作成した日本付近の磁気図や近似式などが公開されている。